「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「取り入れ」

2008年10月15日 | 季節の移ろい・出来事
先日同級生のK君から電話があった。「新米の脱穀が出来たよ…」との連絡。
毎年、出来立て取れ立ての新米を昔の1俵、現在の60㎏を分けてもらうことにしている。

同級生で、定年まで某大企業に勤めた。結婚した奥さんが3人姉妹の長女で、婿養子に入った。現役時代は別所帯で、特に農業にいそしむほどでもなかったという。それが定年退職してから義父母との同居になり、貴重な農作業の担い手として重宝されているらしい。

慣れない農作業に追われることもあるのだろう、同級生仲間でイッパイやるときなど、一番痩せていることで話題になるくらいだ。それほどご苦労も多い様子。

それより何より、彼の話を聞くうちに、米作りの大変さを今更ながら思い知らされた。元々お米作りは、88の手間をかけてやっと口にする収穫が得られる。だから米という字は八十八と書くと教えられ、米粒を粗末に扱うのは罪悪とされてきた。

現代の農作業はほとんど機械に頼る部分が大きいという。お米作りも、人手不足の影響もあって、田んぼ作りから田植え・施肥・除草・刈り取り・脱穀・乾燥・計量……どれだけの労力と機械を使うのか、想像を絶するものがある。

そうやって大切に丁寧に育てて、実り前に台風などの被害に遭ったら泣くに泣けないだろう。幸い今年は全国的に台風被害はなかったから、豊作にも恵まれた。

JAに出荷するお米も、毎年規格や基準が厳しくなったそうで、お米の含有水分までが規格に入ってなければ出荷出来ない。そのためには、脱穀した玄米を一晩かけて乾燥させる、当然ながら高い灯油も必要となる。

このように100万円単位の機械を何台も購入投資して、しかも労力をかけてようやく採算ラインに到達するかどうか…という。

話を聞きながら、多くの機械をこの目で確かめた。農家に生まれなくてよかったと実感する。しかし、誰かが国産の美味しい米を作らなければ、農薬混じりやカビ混じりの事故米が店頭に出回ることにならないか、心配になる。

今一度、美味しい出来立て取れ立てのお米を提供してくれる友に感謝。一言アドバイスするなら、今まで一人前は十分働いてきたのだから、少しは休み休みやって、身体を大事にしようやーと言うことぐらいかな……。

        ( 写真: 玄米乾燥機 )
コメント (6)
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