ベトナムの青銅器、 黎朝(レー朝、Nhà Lê 1428年 - 1527年)
モノは増やさないように心掛けている。
とは言え、旅に出れば何か記念の品を欲しくなる。
がサバらなくて、軽くて壊れない。
勿論、何かに使えるもの。
更には多様性のあるものがよい。
この様な御題に適うものを探して、街をぶらつく。
ホーチミンの骨董通りと言われるレコンキエウ通りを一通り見たが、興味を持つ品は見つからなかった。
ドンコイ通りを散歩し、グランドホテルの一角に趣味の良さそうな店を発見した。
骨董専門と言うよりは幅が広い品ぞろえ。
店の真ん中に座って指示しているのが女主人のようだ。
その脇に、『値引きは一切致しません』との英文の張り紙。
ベトナムでは一部の店で、US$が使用でき、特に観光客の多い店はベトナムドンと併記されている。
その店で手に入れたのがこの青銅製の椀。
店主は約500年前の『Lê』王朝時代の品だという。
ここから先は、帰国して調べたのだが、
ベトナムは紀元前200年頃、中国の始皇帝がベトナムの北部を侵略し、以後約1千年間ベトナム北部は中国に支配され続けた。
同時に、様々な中国文明もベトナムにもたらされた。
ベトナム人が中国の支配から独立したのは10世紀のとき、以後ベトナム王朝が始まった。
李朝(リー朝, 李氏大越国, Nhà Lý 1009年~1225年)
陳朝(チャン朝, 陳氏大越国, Nhà Tr?n 1225年~1400年)
黎朝(レー朝、Nhà Lê 1428年 - 1527年、1532年 - 1789年)
西山朝(タイソン朝, 西山阮氏, 阮氏大越国, Nhà Tây S?n1786年~1802年)
阮朝(グエン朝, 阮朝, 阮氏越南国, 阮氏大南, Nhà Nguy?n1802年~1945年)
1887年~1945年はフランス領インドシナ
大雑把だが以上のようなことになるらしい。
東アジアの歴史はまるで分らないが、中国の影響は強い。
とにかく、この青銅の椀は黎朝(レー朝、Nhà Lê 1428年 - 1527年、1532年 - 1789年)のものと観て間違いなさそう。
もう少し古い時代のものに見えるが、ベトナムの方が言うのだからそうなのであろう。
帰国後、丁寧に洗うと緑青の緑が美しい。
サイズは=横幅20cm、高さ10㎝、口径13.5㎝。
手ごろな大きさ、水を張って花活けにも使える。
丸底だが水を入れると安定して、据わりが良い。
型の張りが強く鋭く、宇宙船の円盤のようだ。
観て良し、使って良し。
ベトナムを想い出す一品。