「西の谷緑地公園」を美しく!

「公園都市水戸」の街造りを考える人達と協働したいと思っています。

竹と筍

2008年05月09日 23時55分04秒 | 西の谷緑地公園
竹と筍

たかんなの影は竹より濃かりけり  中村草田男

筍は別名“たかんな”“たかうな”とも呼ばれることを知った。
また、筍の字は他に“笋”も使われるのだという。日本語は複雑でしかも深みがあると思った。
知らなかった事を知り“なるほど”と感心できるのは楽しい。

“たけのこ”は絵になる形をしているから多くの画家が描いている。
穂先が少し曲がっている姿など可愛いくて、湯がいてしまうのが惜しい。
描いてみようと思いつつ、実現したことがない
とは言え、花より団子~知ることより食べる事は更によろしい。
春から夏にかけての“筍飯”は美味い。日に三度でも食い飽きないし、息もつかずに三膳くらいはいける。
筍飯ばかりでなく、煮物も美味しい。
孟宗竹はそろそろ終わりだが、マダケ・ハチク・布袋竹等は今からだ。それぞれに味も食感も異なる。
もっとも、筍は全てが頂き物で調理するのは妻だ。僕は能書きを言いながら食べるだけ。

この時期に無くてはならない物なのに、竹と筍の関係を深く考える事がなかった。
西の谷の清掃活動を始めて2年、毎日のように竹林を見ていると、『竹』は不思議な植物と思うようになった。
竹は3~4月ごろ葉が黄ばんで、他の草木の秋のようなり《竹の秋》と呼ばれる。
同時に地下茎から芽を出した筍が急激に育つ。筍が若竹に生長する頃、同時に、古い竹は落葉する。

萩原朔太郎の『竹』という詩には次のようにある。

光る地面に竹が生え、
青竹が生え、
地下には竹の根が生え、
根がしだいにほそらみ、
根の先より繊毛が生え、
かすかにけぶる繊毛が生え、
かすかにふるえへ。

かたき地面に竹が生え、
地上にするどく竹が生え、
まっしぐらに竹が生え、
凍れる節節りんりんと、
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。

竹の特性をよくうつしているものだ、と思う。
草木が凋落する秋には、若竹は成長して春のような鮮やかな色を示す。

更にいえば、筍の皮“ひげかわ”は食物を包むに使われる。竹の本体は無限の用途がある。
東南アジアでは建築工事現場の足場にも使われている。
古来、竹は人間の生活と密接に繋がってきた。
近頃はその良さを利用しない生活になってしまったのは残念なことだ。
殆どの竹林は手入れされないままだ。

もっともっと、竹と仲よくしたいものだ。

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藤の花

2008年05月07日 19時19分38秒 | 西の谷緑地公園
五月の連休も過ぎた西の谷は桜が散って山吹やツツジが咲き出した。
谷あいで日差しが少ないためか、季節はいくらか遅く訪れるようでだ。
さらに、山藤も咲いている。樹のテッペンの方に咲くので少し離れて見るか、見上げるように眺めないと良く見る事は出来ない。
新緑の大木に捲きつき、房をたらして咲く藤色の花は、『古事記』や『万葉集』にも記述があり、日本古来の美しさがある。

さらに、藤蔓で衣服や諸々の道具も作られ、人間の生活と密接に繋がった植物でもある。
地方によっては、山から藤の花を採って来て軒にさす風習もあると聞いた。古来、藤の花は神の依代でもあったのだ。

観賞用として栽培され藤棚に咲いているのは美しいし、甘い香りを楽しむことも出来るが、自生した“山藤”"野藤"の姿が僕は好きだ。
西の谷の山藤は昨年に大木2本が強風で倒れてしまい、今は3本が咲いている。
もう少し欲しいが、自生して大木に育つには相当な時間が掛かることだろう。

西の谷を『西行谷・万葉公園』と密かに名付けているので、古来から日本に自生した植物公園に成ることが出来る事を夢見ている。

藤棚を作って栽培された中では、奈良の春日大社の藤が一番印象に残っている。近場では笠間稲荷の2本の藤の大木は花数の多さや房の長さは同じようだが、色や形は異なり見事な藤波で香りもよい。水戸の近辺にもまだまだ藤の名所は有りそうだ。


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西の谷緑地の将来の構想は?

2008年05月02日 18時29分23秒 | 西の谷緑地公園
友人のEさんから西の谷の延長工事を見た感想を送ってくれたので一部を紹介する。
ご指摘の点は、このブログでも何度か指摘してきた事と同じである。
Eさんは1級建築士で環境問題にも関心の深い専門家であるから、発言の重みが有る。

久しぶりに西の谷公園の工事の出来映えを見に行きましたが、
少々、がっかりでしたね。

巾が狭い公園にあって、その間に3本も道があります。
車両用の道路と2本の遊歩道です。
バランスが悪いと思いました。
西の谷公園の将来的な構想の中で
あのような工事が行われたのでしょうか?

せっかくあのような市街地にあるアオシスのような場所なのだから、
それにふさわしいランドスケープになってほしいですね。

連休明けにでも市役所に出向いて、今後の計画等をお聞きしに行こうと思っている。
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先を見据えた計画を

2008年05月01日 21時47分30秒 | 西の谷緑地公園
もうなのか まだこれからか 五月くる    破髯斉

三月・四月と慌ただしく過ぎた。
昨年、西の谷に植えられた桜は山桜で、遅咲きも有るので未だ花をつけている樹も有るが、大方が葉桜と成った。
幹がしっかりとすれば、数年後には見事な花をつけることだろう。

緑地の延長工事も3月末で終了し、芝生を張った部分は緑色に成りつつある。
新緑の季節は、常緑樹の葉が生え変わる時期でもある。
新芽の萼の部分も大量に落下して来るから、落ち葉の季節でもあるのだ。箒で掃いたそばから落葉がたまる。
延長工事で新設された、竹林の中の木製の遊歩道にも降り注ぐ。
作るのは良いが、その後の維持管理を公園緑地課はどう考えているのだろうか?
五年先・十年先の姿を考えて計画を立てているのだろう。と好意的に考えているのだが。

4月27日に笠間日動美術館の『佐伯祐三展』を観に行った。
ついでにという感じで、“つつじまつり”が開催されている《つつじ公園》に行った。
山頂の展望台からの眺めは素晴らしいものだった。拡張工事が進行中で、完成すれば更に見事な公園になるだろう。
ついでのついでに、観光ガイドマップに在った「鳳台院」の石楠花を見に行った。
山と谷の広大な敷地に、石楠花を始め牡丹や水芭蕉など多くの植物が植えられていた。
予想以上の規模で《お寺の境内をいかに楽しく美しく》しようか。の姿勢が強く伝わる。
石楠花の見ごろはこれから。だまされたと思って見に行くことをお勧めする。

公園は長い期間を考えて計画することの大切さを実感した。
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