著者 : 小池真理子<o:p></o:p>
生年 : 1952年<o:p></o:p>
出身地 : 東京都<o:p></o:p>
初版 : 1991年(平成3年)<o:p></o:p>
出版社 : 祥伝社<o:p></o:p>
定価 : 600円(税別)(祥伝社文庫) <o:p></o:p>
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感想<o:p></o:p>
偶然駅の売店で見かけ、題名と著者の名前に惹かれて購入した。小池真理子は今まで一度も読んだことがなかったが、いつか読もうと思っていた作家だった。<o:p></o:p>
この「会いたかった人」は6つの短編から構成されている。その短編を紹介すると、次のようなものになる。<o:p></o:p>
1.会いたかったひと<o:p></o:p>
2.結婚式の客<o:p></o:p>
3.寄生虫<o:p></o:p>
4.木陰の墓<o:p></o:p>
5.運の問題<o:p></o:p>
6.甘いキスの果て<o:p></o:p>
どれも誤解したり、騙されたりした人間が犯罪に巻き込まれたり、犯罪を起こしたりするストーリーだ。ひねりの効いた結末でどれもおもしろかった。<o:p></o:p>
その中で、一番リアリティがあって恐ろしかったのは「会いたかった人」だ。だれでも子供時代の友達で音信不通になっている人がいるはずだ。25年ぶりにかつての友達が現れるという舞台設定が読者の興味をかきたてる。しかしその友達が25年経ったらこう成熟するだろうという予想に全く反して、白髪だらけの髪で10代後半の女の子が着るようなフリルのいっぱいついたピンクの服を着て、女子高生のままの話し方で現れたら、どうだろう。顔と話し方は昔の友達のものだが、醸し出す雰囲気というかオーラが別人のように違うのだ。魅力的だった友達は消え、見ず知らずの年老いた女が現れたのだ。一体友達はどうなったのか。<o:p></o:p>