映画雑感7 KANO海の向こうの甲子園
2014年台湾映画。
2014年第9回大阪アジアン映画祭で観客賞受賞。
プロデューサー 魏徳聖 監督 馬志翔
俳優 永瀬正敏、大沢たかお、曹佑寧他
1931年に甲子園で行われた「全国中等学校優勝野球大会」で決勝戦に進出した嘉義農林学校(嘉農)の野球部の実話をもとにした映画。甲子園に出場できるのは台湾で1校だけ、常連は日本人だけのチームを擁する台北1中や台北商業だった。そんななか嘉義農林学校は日本人、漢人、高砂族の混成チームで台湾代表の座を掴み、甲子園で準優勝を果たした。
異民族同士で意思の疎通ができないのではないかと言う外野の声に、「民族は関係ない、野球の好きな球児が集まっているだけだ。日本人は守備に優れ、漢人は打撃に優れ、高砂族は足が速い。このチームは強い、必ず甲子園に行く。」といった日本人監督の言葉どおり2年で甲子園出場を決めた。日本人監督は楽しく野球をしていた少年たちに甲子園という目標を与えたのだ。少年たちとの関係もよい、素直に監督を信頼し、監督も少年たちが好きで大事な場面では彼らの自主性を尊重する。体育会系の厳しい上下関係や悲壮感は感じられない。いかにものんびりして仲のいいチームで、それが強くなっても変らない。歌を歌いながら野球をしたり、すぐ笑ったり。野球選手になる俳優を5年以上野球経験のある少年たちから選んだというだけあって、野球もうまいし、体も柔らかいし、それにハンサムな少年がそろっている。野球の試合が見ごたえがあった。甲子園で全試合を完投した呉明捷役の特に曹佑寧がかっこういい。