紘一郎雑記帳

多くの講師の講演から面白い情報をお届け癒します。

福島原発の不思議 3部 安田紘一郎雑記帳

2011-05-22 04:32:10 | Weblog

福島原発の不思議 3部 安田紘一郎雑記帳

4 FUKUSHIMAはチェルノブイリになるのか

(1)チェルノブイリは事故後、
大線量の核燃料を一時的にコンクリートで覆い、
いわゆる「石棺」とした。現在でも石棺の劣化に伴い、
さらなる大規模な封じ込め対策が各国の財政支援を
受けながら進められるものと聞いている。

 彼の地を故郷とする住民がいる。
生業を営む肥沃な農地と利便性の高い漁港がある。
国は、必ず彼の地を復活させる、
との明確な決意と意志を表明すべきである。


(2)また科学技術立国を標榜する我が国は
、大自然の脅威、破壊にも打ちのめされることなく、
より貴重な知識と経験を積み重ねて
彼の地を復元させなくてはならない。

それが国際的なメッセージとなり、
失われた我が国の信頼性を


回復できるものと信じている。

(3)しかし政府からは、かかるメッセージは
一向に聞こえてこない。廃炉、原発推進政策の見直し、


TEPCOの国有化等々危急の用のないメッセージばかりである。

(4)筆者は冒頭触れた会議で(いささか楽観的とは思えるが、
災害規模の大きさに各国とも悲観的な見方が多かったことと、
あくまでも個人資格なので)
「衝撃的な爆発はあったものの、
現状は安定的に推移しており、
今後は常続的な冷却機能の回復と冷温停止。

そして環境中への汚染を除去して早期の住民に対する
避難解除が今後の課題である。

米国をはじめとする知見を有する先進各国の支援を受けて、
我が国は必ずやこの事態をコントロールできる」旨発言した。




 国のトップとは全く次元の異なる無責任な発言ではあるが。これが第3の不思議である


5 おわりに

 現在福島第一原発周辺から待避されている住民の方々、
あるいはやむを得ない事情で当該エリアに在留されている方々、
いずれも避難生活に疲弊し今後の生活への不安といつ我が家に、
職場に帰還して平常に復帰できるのか、
その御労苦は計り知れないものがあろう。

 また、原発の早期安定化を目指し、
使命感に燃えて放射能の恐怖と戦いながら
活動されている方々にも、国民の1人として深く感謝したい。

 一方で、この福島原発事故は予見不可能な
非常事態にいかに対応できるのか、
日本人全体に対する地震津波災害がもたらした
もう1つの大きな試練である。

この事故を一事業者の責任として
矮小化してはならないと思う。

 政府あるいは対策本部にあっては、
是非国家として今何を優先すべきか、
それが一般市民にいかなる苦難を強いることになるのか。

そしてそれはどういう状況をもって
安全化が図れたことになるのか。

我が国としてFUKUSHIMAからどういう
メッセージを海外に対して発信していくのか。

是非明確で敢然としたリーダーの言葉を頂きたいものである。

筆者プロフィール
岩城 征昭
Masaaki Iwaki 理学博士・元陸将補
1953年生まれ、76年・防衛大学卒(20期 応用化学専攻)、

最新の画像もっと見る

コメントを投稿