紘一郎雑記帳

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福島原発事故の不思議 第2部 紘一郎雑記帳

2011-05-21 04:24:49 | Weblog

福島原発事故の不思議 第2部 紘一郎雑記帳

現在までの線量変化は安定的に低下傾向にあり、
現在では最大でも100μSv/h以下で安定していることは、
放水による冷却効果の表れであろう。

 
(5)さてそれでは、なぜ水素爆発後に形成された
放射性降下物による汚染地域の全体像が、
40日を過ぎた現在でも明確にならないのであろうか。
事故発生直後は原発エリア内すべてのモニタリングポストから
のデータが得られなかったと聞いている。

 
データ収集区分はそれでよしとしても、
一元管理と分析は国(原子力安全委員会を含む)が
行うべきであろう。

 単純にマネジメントの問題か、あるいはやっているが
何か意図があってぼかしているのか。
疑念を持つのは海外の専門家ばかりではないであろう。
これが不思議の第1である。




3 法令の適用と限界(原子力災害対策特別措置法)

(1)事故後の原発対応は特措法に規定された通り、
対策本部が全体マネジメント、事業者たるTEPCOが第一原発内に
おいて冷温安定化と放射性廃棄物のコントロールを行っている。

 もちろん逐一原子力安全・保安院を通じて
対策本部長たる総理大臣の指示を仰いでいるものと想像するが・・・。

現実は見えない。ただただTEPCOの判断ミス、
報告ミス、独断専行ばかりがメディアの好餌となって、
本部長の指導は窺い知れない。


(2)また、総理大臣の強力なイニシアチブにより
TEPCO内に設置されたという
「福島原子力発電所事故対策統合本部」の位置づけ、
権限、所掌範囲も不明確であり、
不安や不信を助長しているとしか思えない。

(3)そもそも今回の福島原発事故は、
特措法に描かれている原子力緊急事態で
想定していた枠組みに収まっているのか。

否である。今ほど大規模に放射性物質が放出、
拡散することは考えられていない。

 さらに各容器内のパラメーターがほとんど
モニタリングできないような判断材料の欠落を想定したとは思えない。

これは計画の不備をあげつらうでも、
誰に責任を求めるのでもない。

もちろん建設当時の設計基準の甘さは考えられるものの、
まさしく特措法の「想定外」の事態である。

(4)それではそもそも想定外の事態にはいかに対応すべきか。
今までの対策本部の対応を見ていると、
想定外の事象を特措法の想定内に無理矢理
当てはめようとしていると言えるであろう。

 しかし本事故は、まさしくこれは非常事態として
既存の枠組みを超えた、
それこそ米国をはじめとする原発先進国や
知見を有する国際機関、企業からの支援を仰ぎつつも、
情報分析は当然としてすべての指揮命令系統を一本化し、
我が国の英知を傾けて対処すべき事態であったのだ。

 (5)筆者の参加した冒頭の会議における各国の反応は、
まさしく上記の明示的な司令塔の不在と
情報の不十分な開示に対する疑問であった。

なぜいまだに「原発エリア内はTEPCOの責任。
サポートはしてやる」との対策本部
(すなわち政府そのものであるが)の少々斜に構えた
当事者意識の欠落した現状なのであろうか。
これが第2の不思議である。

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