菅直人は、でしゃばり総理 誰か止めてくれ!
安田紘一郎雑記帳
東電の清水社長は10日午前、首相官邸で
海江田万里経済産業相と会談し、福島第1原発の事故に伴う
巨額の損害賠償に関する政府支援を要請した。
その後、海江田経産相は東電本店を訪れ、
政府支援の前提として、損害賠償額に事前に上限を設けないことや、
東電のリストラなど6項目の確認事項を求めた。
これにより、東電の経営は事実上、
政府の管理下におかれることになる。
政府、すなわち菅首相が東電の生殺与奪の権を握ることになるのだ。
そこで菅首相が狙っているのがトップの首のすげかえだ。
福島第1原発は、危機的な状況を脱するのに
最低でも6カ月以上を要するとみられている。
だが、6月の定時株主総会で、勝俣会長か清水社長のどちらか一方は、
「事故の責任をとる」という名目で辞任しそうな情勢だ。
とくに清水社長は、事故発生直後の最も危機的状況だった
3月16日から約1週間、過労を原因とする
体調不良で都内の病院に入院、職務から離れた。
民主党関係者は
「(入院前)清水社長は重大な決意を記した手紙をしたためていた」
と話す。
清水社長の辞任は早晩避けられない見通しで、
政府内では早くも後任人事に動きだしている。
最も意欲を示しているのが菅首相で、
「自ら選んだ人物を東電のトップに就けることで、
政治主導をアピールし、
低迷する支持率の向上に結びつけたい思惑がある」
その菅首相が白羽の矢を立てたのが、資生堂の池田相談役。
2010年1月の民主党定期大会でも来賓としてあいさつし、
鳩山内閣(当時)が打ち出した新成長戦略、
アジア重視の施策に強い共感の意を示すなど、
財界では民主党支持者として知られる有力者の1人だ。
池田氏は今年2月に菅首相が組織した
「日中関係に関する意見交換会」のメンバーにも選ばれた。
同会は、日中国交正常化40周年となる2012年に向けて、
新たな日中関係の構築を視野に入れた提言を求めるもので、
作家の石川好氏が提案、御手洗冨士夫キヤノン会長らが名を連ねている。
では、池田氏とはどんな人物か。
1961年に東京神学大を卒業した敬虔なクリスチャンで、
資生堂に入社後、社長、会長を歴任し、
06年に相談役に就いた。
社長時代は資生堂の改革に取り組み、同社の再興に尽力した。
事業の一線から退いたとはいえ、財界での評価はすこぶる高い。
だが、この人事構想を耳にした財界からは非難が渦巻いている。
「池田さんはすでに74歳と高齢。
しかも、東電の事故対応はJALの再建とはワケが違う。
清水社長が辞任したとしても、
東電には副社長など役員がゴロゴロいる。
事態が収まるまでは彼ら役員が責任をとるのが筋だ」
なかには、こんな手厳しい意見も出ている。
「菅首相は的確な指示を出すどころか、
現場に向かうパフォーマンスで原発の事故対応を混乱させ、
いまだに事態を収束できないでいる。
後任を指名する前に、菅首相自らがその責任を取るべきだ。
首相を辞めて、議員も辞職したうえで、
自らが東電のトップに就けばいい。
いずれにしても、政界も財界も人材不足。
その中で一人、菅首相だけが暴走しているという構図だ。
誰か「菅直人」を止めてくれ!