「福島原発事故」3つの不思議
安田紘一郎雑記帳
2011.05.19(Thu) 岩城 征昭 より3回連続して投稿致します
1 はじめに
東日本大震災がもたらした地震・津波災害と2次的に
発生した福島第一原発事故の脅威に、
科学技術立国を標榜する先進国の日本が蹂躙された。
全国民はもとより世界中が驚愕し我がことのように
関心を寄せているのは、科学技術を超えた自然の脅威に
「明日は我が身」と畏怖を感じているからに相違ない。
そしてあの衝撃の3.11から40日。
ようやく事業者である東京電力から事故の
終息に向けたロードマップが示されたものの、
不確定要素が多く時間軸の定かでない項目列挙との感が否めない。
このままではまさしく「FUKUSHIMA」の名称は、
未曾有の大災害にもかかわらず見事に
難局を切り抜けた奇跡の代名詞でなく、
あのチェルノブイリに並び称されるような
悲劇の固有名詞になりつつある。
折しも、我が国政府が福島原発事故を
チェルノブイリと同じ規模であるレベル7と
評価し表明した時期に重なり、プログラムの一部が変更され、
我が国の地震・津波災害と福島原発事故の
2項目が特別に設けられ、我が国関係者(個人資格)から
の現況報告と暫定的な教訓事項等について意見交換が行われた。
この中で米国はじめ先進各国から問われたのは、
主に以下の3つであった。本リポートではこれを基に
私見を述べてみたい。
(1)情報開示が不十分であり、
その為に各国は疑惑を募らせている(情報開示)
(2)誰が事故処理の全てをコントロールしているのか。
一事業者でこの事故に対応可能なのか(法令の適用と限界)
(3)福島第一原発地域は永久汚染地域になるのか
(福島はチェルノブイリになるのか)
2 情報開示
(1)ここに4月14日発行のネイチャー(Nature)
472号がある(オンライン版は4月13日付)。
タイトルは、“A little knowledge”(わずかな知識)と題された記事だ。
ここでは、日本は震災、津波による大被害にもかかわらず、
スリーマイル島やチェルノブイリ事故のときよりも
「より多くの生データとパッチワーク的な情報」が
各所から開示されており涙ぐましい努力が窺えると、
皮肉交じりに一応持ち上げている。
しかし、「より理解しやすい意味のある分析が加えられた
データ開示が必須であるが・・・」と続けている。
すなわち、意味不明な測定データと目的が明確に
見えてこない処置事項の説明が多く、
受け手に不親切であるばかりでなく却って不安、
疑念を抱かせる一因になっている。
(2)これに加え、政府からは大方の予想に反して
国際核・原子力事故スケールがチェルノブイリと
同じ最高のレベル7と表明されたため、不安感に一層拍車がかかった。
(3)ちなみにインターネットからは原子力安全・
保安院、東電(TEPCO)、文科省などのサイトから事故後の
計測データが多数発表されている。
またメディアはこれを基に読者向けに独自に
(それぞれの意図を持って)発信している。
これらはなぜか20キロ以遠の避難エリア外の
データのみが報道されているだけで、
現況の深刻度を判断し、また今後の事態の推移を
知るために求められているGZ付近のデータは
必ずしも十分ではない。
続きは第2部
安田紘一郎雑記帳
2011.05.19(Thu) 岩城 征昭 より3回連続して投稿致します
1 はじめに
東日本大震災がもたらした地震・津波災害と2次的に
発生した福島第一原発事故の脅威に、
科学技術立国を標榜する先進国の日本が蹂躙された。
全国民はもとより世界中が驚愕し我がことのように
関心を寄せているのは、科学技術を超えた自然の脅威に
「明日は我が身」と畏怖を感じているからに相違ない。
そしてあの衝撃の3.11から40日。
ようやく事業者である東京電力から事故の
終息に向けたロードマップが示されたものの、
不確定要素が多く時間軸の定かでない項目列挙との感が否めない。
このままではまさしく「FUKUSHIMA」の名称は、
未曾有の大災害にもかかわらず見事に
難局を切り抜けた奇跡の代名詞でなく、
あのチェルノブイリに並び称されるような
悲劇の固有名詞になりつつある。
折しも、我が国政府が福島原発事故を
チェルノブイリと同じ規模であるレベル7と
評価し表明した時期に重なり、プログラムの一部が変更され、
我が国の地震・津波災害と福島原発事故の
2項目が特別に設けられ、我が国関係者(個人資格)から
の現況報告と暫定的な教訓事項等について意見交換が行われた。
この中で米国はじめ先進各国から問われたのは、
主に以下の3つであった。本リポートではこれを基に
私見を述べてみたい。
(1)情報開示が不十分であり、
その為に各国は疑惑を募らせている(情報開示)
(2)誰が事故処理の全てをコントロールしているのか。
一事業者でこの事故に対応可能なのか(法令の適用と限界)
(3)福島第一原発地域は永久汚染地域になるのか
(福島はチェルノブイリになるのか)
2 情報開示
(1)ここに4月14日発行のネイチャー(Nature)
472号がある(オンライン版は4月13日付)。
タイトルは、“A little knowledge”(わずかな知識)と題された記事だ。
ここでは、日本は震災、津波による大被害にもかかわらず、
スリーマイル島やチェルノブイリ事故のときよりも
「より多くの生データとパッチワーク的な情報」が
各所から開示されており涙ぐましい努力が窺えると、
皮肉交じりに一応持ち上げている。
しかし、「より理解しやすい意味のある分析が加えられた
データ開示が必須であるが・・・」と続けている。
すなわち、意味不明な測定データと目的が明確に
見えてこない処置事項の説明が多く、
受け手に不親切であるばかりでなく却って不安、
疑念を抱かせる一因になっている。
(2)これに加え、政府からは大方の予想に反して
国際核・原子力事故スケールがチェルノブイリと
同じ最高のレベル7と表明されたため、不安感に一層拍車がかかった。
(3)ちなみにインターネットからは原子力安全・
保安院、東電(TEPCO)、文科省などのサイトから事故後の
計測データが多数発表されている。
またメディアはこれを基に読者向けに独自に
(それぞれの意図を持って)発信している。
これらはなぜか20キロ以遠の避難エリア外の
データのみが報道されているだけで、
現況の深刻度を判断し、また今後の事態の推移を
知るために求められているGZ付近のデータは
必ずしも十分ではない。
続きは第2部
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