レンタルDVDで、映画『海は見ていた』を鑑賞。熊井啓監督作品で、主演が遠野凪子である。2002年7月公開。山本周五郎の複数の小説が原作とのこと。江戸・深川の岡場所にある日、一人の若い侍が逃げ込んでくる、刃傷沙汰で追っ手に追われているという。娼婦のお新(遠野凪子)がこの侍をかくまう。その後もその侍はお新のもとに通ってくるうち、お新は恋心を抱くが若侍には恋心などはまったくなかった。やがて深川の岡場所は洪水と高潮で流されてしまう。もともと黒澤明監督により撮影されるはずだったそうだが、コストの関係で撮影に至らなかった作品。後年、遺志を継いだ熊井啓監督によって撮影されたということだ。確かに、どこか黒澤作品をしのばせるものがある。
先日、全国チェーンの古書店から買ってきた葉室麟の小説の2冊目、『月神』(げっしん)を読んだ。この物語の主人公は福岡藩出身の月形潔、明治13年に北海道に集治監建設のため、横浜から汽船で北海道に向かう。その旅のさなか、亡き従兄弟の月形洗蔵のことを思う。福岡藩の尊王攘夷派の中心となり、藩を尊攘派として立ち上がらせようとした洗蔵だったが、維新を前に刑死してしまう。「月は日を導くさきがけ」と言っていたことを思う。潔は樺戸集治監の典獄として囚人の監視役を任命され、維新への志との違いを思い悩むのだが。少し重い作品だ。
1月29日。おはようがんす。甘利大臣が辞任しましたね!国民に知らせず“TPP大筋合意”した張本人が辞めざるをえなかったのだから重大なことだ。辞任だけで幕引きをすることは許されない。安倍総理の任命責任も当然問われなければならないし、甘利氏が議員でいることだって問題だと思うが。
今朝も春の食材、ナバナのおひたし。山クジラ♂の故郷は群馬県で、春になると露地物のナバナが栽培される。伸びてきた花芽を摘み取って湯がき、カラシ醤油でいただくのだが、そこはかと苦みのある味がたまらないのだ。こういうものを食べるたび早く春が来ることを願う今日この頃だ。