山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『三国志』第2巻=宮城谷昌光著

2013-02-23 12:49:02 | 読書

 宮城谷昌光の『三国志』第2巻を読んだ。梁冀らによって立てられた質亭は、やがて朝廷に跋扈する梁冀らと百官を眺めて―まるで王朝は盗賊を飼っているようなものと―思い、梁冀を「これは跋扈将軍じゃ」と言ってしまう。大魚が水中の竹かごを跋えることを跋扈というらしい。ここから梁冀は―儒子めと質帝を亡き者にしてやる―と思う。そして、質帝に毒を献ずるのである。天子が皇帝と称するようになって、輔弼にあるものが皇帝を殺害した例は、秦の二世皇帝を襲って自殺させた趙高と、前漢の平帝を毒殺した王莽がいるが、梁冀は中国史上最悪といって良い臣だ。それ以後、垣帝、霊帝と続くが後漢朝は衰退の一途をたどる。第2巻の最後の方で、「三国志」の主役の一人曹操が登場し、後漢の終焉に向かって走り始める。第2巻から、少しは予備知識のある人物たちが登場してホッとしている。宮城谷氏が、かなりの資料をあたり裏付けを取りながら書いていることに感心している。