内田康夫の『天河伝説』上を読んだ。実は内田作品を読み始めた初期(10年ほど前)に読んでいるのだが、今年5月に天川村を含む奥吉野の旅を計画しているので、この小説のことを思い出し古書店で購入した。残念ながら間違って上巻を2冊買ってきたので、今日あたり下巻を探しにいかないとならない。
『天河伝説』には『天河伝説殺人事件』と副タイトルがつけられている。「天河」は天川村に存在する神社「天河神社」からとっている。この神社の祭神は弁財天なのだそうで、「日本3大弁財天」の1番目が「天河神社」なのだそうだ。とくに芸能関係の信者が多いという。事件は能楽の宗家の跡継ぎをめぐって、母の異なる兄妹があり、その兄が本来宗家を継ぐべきなのだが、祖父にあたる宗家はこれを嫌っているらしい。能の演目・道成寺を演ずる兄が早変わりの場面で、毒殺されたことを匂わせる。その後、宗家が吉野で服毒と思われる死に方で死んでいるのが発見される。内田作品の主な探偵役である浅見光彦が登場し事件の解決にかかわるのだが、ここでも怪しい人物として警察に確保されるが、兄の警察庁刑事局長の名前が出て警察側は「はは~!」となる。以前読んだときは、下巻でとんでもない展開になるのだったような気がするが、それは読んでのお楽しみとする。