中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

明星園

2023-07-14 20:42:00 | ヴァイオリン
 山響が休日の今日は、前から頼まれていた障害者支援施設でのボランティア・コンサートに、行ってきました。編成はヴァイオリン2本。家の奥さんとともに。

 山形に移り住んで2軒目のアパート「ハイツ・シンフォニー」の大家さんは、ネーミングセンスからも分かるように、大の音楽好きです。その頃からのお付き合いで、今までずっと、山響も山形Qも応援してくれています。

 その大家さんからのたっての希望で、その地域にある施設「明星園」でのミニコンサートを頼まれていたのです。

 今回で2回目。前回は、ちょうどコロナが始まる前の2019年でした。…もう4年前なんですね。

 施設の食堂兼レクリエーションルームのような広い部屋で椅子を並べて、60人ほど。30分という短い時間ではありましたが、久しぶりの生演奏を楽しんで頂けたのではないかと思っています。

 「持ちつ持たれつ」…と言うと、なんだか癒着みたいな、馴れ合いの感じがしますが、それはドラマの悪人の話。本来は助け合いです。そして、音楽家はそういう中で生きているものだと自覚する必要がある。

 言ってみれば音楽家など、托鉢僧と同じぐらい、社会では生産に関わっていないわけですから「ギャラいくらですか?拘束時間は?」と訊く前に、目の前にいる人を笑顔にするために弾かなければいけない。他にできる事など無いのだから。そして、その心が通じれば、おのずと、皆さんが生活を支えてくれるはずです。

 弾き終わった時に、利用者代表の車椅子おじさんが「お礼の言葉」を述べて下さいました。お身体の不自由な方です。言葉はしっかりしていますが、感激して下さったようです。「すみません…感激してうまく言葉にならなくて」と本気で涙を流す姿を見て、やっぱり弾きに来て良かったと、こちらも胸が熱くなりました。

 期日が近づいて来た時には正直なところ「貴重な休みになんで引き受けちゃったかな」などとも思いましたが、疲れをとるには、休むばかりではないのかも知れません。おかげで、良い休日になりました。

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