息子から薦められた映画「TITAN」を観てみました。正月に会った従兄弟にも「チタンは観た方がいい」と言われたことを思い出したせいでもあります。
2022年公開のフランス映画です。ジャンルとしては…
…何と言って良いやらわからない。ホラー?SF?ダークファンタジー?サスペンス?まあ、そんなところです。
カンヌで最高賞を受賞したということですが。
結論から言うと、私にはよくわかりませんでした。
…映画を観て、こういう感想を言うのは初めてのことです。
古くはベルイマンのような、超難解映画についても、自分なりの解釈は持ってきたつもりですが、「TITAN」にはギブアップ。
これが今のフランス映画の行きついたところなのかもしれませんが、メタファーにはメタファーなりの「つじつま」がもうちょっと欲しいと思うのは、もう感覚が古いということなのか。
あらすじを語る意味もないのですが、さらっとだけ。幼少期の事故の治療のために脳にチタンを埋め込まれた女の子が、ぶっ飛んだ凶暴な女性に育つ。車に異常な愛情を持つので、車の子(?)を妊娠します。と同時に、凶暴な性質が抑えきれずに、数々の殺人を犯します。警察から逃れるために、行方不明の息子を何十年も探している老消防士に、息子だと偽って匿ってもらう。そこで、得体の知れない子供を出産することになる…。
…意味がわからないと思います。私も同感です。
ショッキングだったりグロテスクな映画は、私のむしろ好物なのですが、意味がわからないので「え、なんで?」が先に立って、気持ちよく気持ち悪がることができない。
昔「前衛的なもの」を初めて目にした人はこういう感じだったのかなと。「春の祭典」の初演で悲鳴をあげて席を立った貴婦人とか。
もはや私の感性は、時代遅れになってしまったようです。この映画を、ごく普通に親に薦めてくる息子の感性を頼もしく思いました。…新しい時代が来てますね。