東南アジア・ヴァーチャル・トラヴェル

空想旅行、つまり、旅行記や探検記、フィールド・ワーカーの本、歴史本、その他いろいろの感想・紹介・書評です。

プラヤー・アヌマーンラーチャトン,『回想のタイ 回想の生涯』,全3巻

2006-09-15 21:44:41 | コスモポリス
未完成だがアップロード
書いたことも読んだことも忘れそうなので、とりあえず、アップ。
なお、第1巻は本当に未読です。

著者は1888年バンコク市郊外生まれ。1969年没。
1905~33、税関職員。
その後、芸術局、タイ国正史編集委員会委員長、タイ国百科辞典編さん委員会委員長、タイ国地理辞典作成委員,そのほか役職を歴任。

先生、あのう、もうすこし話を整理して、順序よく話してもらえませんか?といいたくなる、あっちへふらふら、こっちへふらふら、横道にそれ、戻ってきたと思ったらまた脱線する、融通無碍な語り口である。

しかし、こちらの要求は、むりな注文というべきだろう。
こんな語り口の人物であるからこそ、あらゆる事柄の枝葉末節に関心をもち、読者に伝えることができるわけで、構成を整え、時間軸にそって叙述する人だったら、ここに書かれている事柄にはじめから興味をもたないであろう。
そういうわけで、読者も覚悟をきめて、まわりくどい老人の思い出話に耳をかたむけようではないか。

書名が示すとおり著者の回想であるが、同時に19世紀末からのクルン・テープ、つまりバンコクの昔話でもある。けっしてタイ国全体の話ではないので、その点は注意しておこう。
古き良き時代のバンコクの思い出、といいたいが、予想されるようなのんきな時代ではない。
ミッション・スクール、英語の勉強、印刷と出版、ホテル(オリエンタル・ホテル)勤務、関税局勤務といった目次からもわかるように、激動の近代化の時代、多国籍の住民、新技術と新思想がなだれこんだ時代、そんな時代を語った回想である。
もっとも、目次はほとんど意味をなさないくらいの脱線ぶりで、話題は、バンコクのあらゆる地域のエピソードがもりこまれている。
そんなわけで、要約は無意味で不可能。


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