『タイの財閥ーファミリービジネスと経営改革』(共著),同文舘出版,1991
『タイー開発と民主主義』,岩波新書,1993年
などの著者による、東南アジア経済分析入門書。
なぜ、「キャッチアップ型工業」など(一見古臭いことを)、いまさら分析するのか。国家単位で経済をとらえる意味が(このグローバル化の時代と言われる中で、)あるのか。日本や韓国と東南アジアを比較するのは意味があるのか。
などなど、基本的なところがよくわかる構成である。
細部は、ちょっと興味がわかない、あるいは難しすぎるところもあるが、全体として、一般読者にむけてわかりやすく説いている。
付録「統計の探し方・読み方・作り方」が、おもしろい。
さまざまな経済統計を読取る際の注意事項を、例をあげて説明しているのだが、専門家には怖い指摘だろう。
一般人としては、著者の挙げる間違いや危険性を回避する(修正して使用する)能力がないのだが、一応、こんなことがある、という意味で、たいへん参考になった。
念のために言っておくと、別に東南アジアの統計だから信用できない、ということではありませんよ。
すべての経済統計・指標についていえることである。
現実とのズレを修正して発表したタイ国の例は、むしろ良心的。(この修正値でも、年度ごとに単純に比較できない、ということが説明されている。)
そして、本書全体の論考は、そんな統計数字がなんの役にたつのか、そんな分析が東南アジアを理解するのに必要なのか、ということをしっかりと説明している。
『タイー開発と民主主義』,岩波新書,1993年
などの著者による、東南アジア経済分析入門書。
なぜ、「キャッチアップ型工業」など(一見古臭いことを)、いまさら分析するのか。国家単位で経済をとらえる意味が(このグローバル化の時代と言われる中で、)あるのか。日本や韓国と東南アジアを比較するのは意味があるのか。
などなど、基本的なところがよくわかる構成である。
細部は、ちょっと興味がわかない、あるいは難しすぎるところもあるが、全体として、一般読者にむけてわかりやすく説いている。
付録「統計の探し方・読み方・作り方」が、おもしろい。
さまざまな経済統計を読取る際の注意事項を、例をあげて説明しているのだが、専門家には怖い指摘だろう。
一般人としては、著者の挙げる間違いや危険性を回避する(修正して使用する)能力がないのだが、一応、こんなことがある、という意味で、たいへん参考になった。
念のために言っておくと、別に東南アジアの統計だから信用できない、ということではありませんよ。
すべての経済統計・指標についていえることである。
現実とのズレを修正して発表したタイ国の例は、むしろ良心的。(この修正値でも、年度ごとに単純に比較できない、ということが説明されている。)
そして、本書全体の論考は、そんな統計数字がなんの役にたつのか、そんな分析が東南アジアを理解するのに必要なのか、ということをしっかりと説明している。