東南アジア・ヴァーチャル・トラヴェル

空想旅行、つまり、旅行記や探検記、フィールド・ワーカーの本、歴史本、その他いろいろの感想・紹介・書評です。

ダンドゥットの謎にせまる その5 チープ系

2014-11-25 18:04:35 | 音楽 / ミュージック

ずっと前の記事で、リンク先が消えたり、内容が古くなっています。

ダンドゥットの記事なら以下のブログへどうぞ(怪しいサイトではございません)

 https://hap-pya-ku-bikini.hatenablog.com/

 

 今回は、シンセ打込みの安っぽいバックサウンドについて。チープ系というのはわたしが勝手に命名したもので一般的な呼び方ではありません。

sanimusicindonesia

 最初このsani music indonesia からのビデオを見たとき、てっきり、個人が無断でアップロードしていると思った。ハンドルネームがパチもん臭いし、やたらとストリーム広告がはいる。(youtubeのストリーム広告の仕組は、いまだによくわからないが、なにか設定があるのだろうか?)

 しかし、ちゃんと住所も電話番号も載せている。やはり、これらの音源(つまり、ビデオ撮影ばかりでなく、)CDを作った会社なのだ。プロモ・ビデオのほか、自社の歌手が出演したテレビからの録画もアップロードしている。閲覧数をみると、かなりの数で100万を超えているものさえある。少なくともテレビに出演するほどはヒットしている。しかし、自社製品なら発売年など基本的データを書いてくれないもんだろうか?

Lynda Moymoy - Bang Jali

HESTY DAMARA - BASAH BASAH 

 リズム・セクションは打込み、その他もチープなシンセだけのバック、というよりカラオケ。どこかで聞いたことがあるような短いメロディー。軽い歌い方。この種のものが、ある程度の支持を得てずっと続いているようだ。悩ましいのは、けっこう面白いものがあることだ。馬鹿にできない。しかし、やはりチープすぎて、トホホなものもある。(ヒットもする)

Ria Amelia - SMS 2006

 最初、これカラオケだと思った。1.35過ぎまでヴォーカルが出てこない。ベートーベンが墓の下で悶えるようなメロディーです。ポンチャック(googleビデオ検索結果)か! いや、ほんとにポンチャックからパクった可能性もある。

 インドネシアの歌で、このチープ系に似ていると言っては失礼かもしれないが、campursari というジャンルがある。ガムランをバックにした、ダンドゥットのリズムとは違う感触のものである。このような音への好みが上記のチープ系にも反映している可能性がある。

Sangga Buana plus Cak Diqin - Rindu Kekasih (campursari jawa と呼ばれるジャンルのplaylist 全71曲もあるので、てきとうに聞いてください。)

 あと、チープ系の元祖かどうか解明できないのが、1990年代のdisco dangdut というのがある。インターネットで調べにくい代物である。なぜならdisco dangdut でサーチしても、最近のもの、remix物やhouse物が引っかかってなかなか出てこない。それで、わたしに判る範囲で書くと、1990年代、打込みとインド/パキスタン風リズムを折衷したものが現れたらしい。

Linda Carella & Corry Cornel (Cipt. Jeffry Bulle) - Bunga Bunga

Corry Cornel & Jeffry Bule- KUPU-KUPU 1990s?

 これなど、おもしろい。しかし、

Rita Sugiarto - Kupu Kupu ? 上とは同名異曲。スローな熱唱タイプ。ストリング(or シンセ)、チェンバロ(風シンセ?)、サックスもはいったゴージャスな編曲である。

Rita Sugiarto - Kupu Kupu  しかし、それをディスコ風にアレンジしてしまうのである。本人が。この現象はちょっと理解できない。ディスコ・打込み調にするなら、それにふさわしい曲を選べばいいと思うのだが。

 実はわたしは、チープな打込み&シンセのアレンジがいつごろ現れたのかもわからないが、オーケストラをバックにしたゴージャス系のアレンジもいつ頃からかわからない。てきとうな想像をめぐらすと、これら二種類のアレンジはほぼ同時に現れたのではなかろうか。

 以上、雑な内容でした。次回、スンダ(Sunda, Pop Sunda, Lagu Sunda) について書くために、上の disco dangdut, champursari, champursari Jawa などがあるということを一応断っておきたかったのです。つまり、Pop Sunda といっても、上のようなものと区別できないものがあるという言い訳であります。

 champursariについては、独立した項目で論じたいところだが、次から次と判らない混乱するものが出てきてまとめられない。先を急ぐので失礼。



2 コメント

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だけど大好きダンドゥット (herlina)
2014-12-21 23:36:29
はじめまして。

一通り記事を読みました。もともと情報が少ないことに加え、方言の壁、文化の壁などがあり、深く理解するのは至難の技ですよね。

肝心のインドネシア人でさえ、koploの概念が大きく違いますから。それも、本場スラバヤでの話です!

disco dangdut全盛期から聞き始めた私なので、アスリのgundangに違和感があったことを思い出しました。 
歌詞の内容、ステージングの湿っぽさも・・・

そんなこんなで多少の時間は掛かりましたが、それを乗り越えてしまえばあとは泥沼・・・
今でもダンドゥットの底なし沼にハマって抜けられないでいます。
少しでもファンが増えて、以前のようにダンドゥット歌手が来日する時代が戻ってくれることを願っています。

私が以前運営していた駄ブログですが、よろしければ遊びに来てください。

更新を楽しみにしています!!!
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おお!herlina様、コメント感謝 (y-akita-japan)
2014-12-22 15:14:41
 貴殿のページ、拝見しております。
 ほんとに情報が少ないのですよね。ことばの壁はやっぱり大きい。インドネシア人からの外への発信が少ない上に、日本人で密かに愛好している方は、あんまりウェブで発信してくれないのですよね。わたしのような半可通が書くのは気が引けるのですが、判る範囲で書いています。
 
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