バランスのとれた現在進行中のヴェトナム分析。
この種の海外現代事情物は〈狼が来たぞ〉タイプ、腐敗と混乱をことさら強調する〈暴露物〉タイプ、投資のチャンスだという〈儲かりまっせ〉タイプなど毎年毎年出ている。
読者のほうとしても眉につばをつけて向かわねばならない。
とくにヴェトナムの場合、〈社会主義の勝利〉から〈かわいい雑貨〉まで、数年ごとに変わるからね。用心しなくては。
本書にしても、著者の分析がどこまで妥当かどうか、わたしは判断できません。
しかし、問題のとりあげかたは妥当であるように思われる。
農村社会の伝統と儒教と社会主義から生まれる汚職と非能率。
インフラの遅れ。(製鉄や精油ができないうちにIT革命??)
格差の拡大。
少数民族政策。
ASEAN加盟、WTO加盟(07年1月正式加盟、知らなかった……なんてこったい)
USAと中国という二大国との外交問題。
日本、韓国、台湾、フランス、そしてASEAN諸国との関係。(在ヴェトナムの外国人では日本人よりも韓国人が圧倒的に多い、なんてことも知らなかった)
日本のODA問題(ハウザン橋が工事途中で落ちたなんてことも知らなかった……)
はげたかファンドに狙われたら〈赤子の手を捻るように〉やられてしまうだろうという危惧。世界市場経済に対する無知と無防備と人材不足。
ホーチミンについての著者の見識もたいへん参考になった。
そして、共和制というものが、儒教を基盤にした農村社会(=ヴェトナム共産党の体質)とは、ほとんど相容れない思想である、というのがわかった。(いいとか悪いとかいう判断は、また別の問題であるが)
小田実の死についての1章あり。ふーん。この人にとっても小田実はそれほど大きな存在であったのか。
この種の海外現代事情物は〈狼が来たぞ〉タイプ、腐敗と混乱をことさら強調する〈暴露物〉タイプ、投資のチャンスだという〈儲かりまっせ〉タイプなど毎年毎年出ている。
読者のほうとしても眉につばをつけて向かわねばならない。
とくにヴェトナムの場合、〈社会主義の勝利〉から〈かわいい雑貨〉まで、数年ごとに変わるからね。用心しなくては。
本書にしても、著者の分析がどこまで妥当かどうか、わたしは判断できません。
しかし、問題のとりあげかたは妥当であるように思われる。
農村社会の伝統と儒教と社会主義から生まれる汚職と非能率。
インフラの遅れ。(製鉄や精油ができないうちにIT革命??)
格差の拡大。
少数民族政策。
ASEAN加盟、WTO加盟(07年1月正式加盟、知らなかった……なんてこったい)
USAと中国という二大国との外交問題。
日本、韓国、台湾、フランス、そしてASEAN諸国との関係。(在ヴェトナムの外国人では日本人よりも韓国人が圧倒的に多い、なんてことも知らなかった)
日本のODA問題(ハウザン橋が工事途中で落ちたなんてことも知らなかった……)
はげたかファンドに狙われたら〈赤子の手を捻るように〉やられてしまうだろうという危惧。世界市場経済に対する無知と無防備と人材不足。
ホーチミンについての著者の見識もたいへん参考になった。
そして、共和制というものが、儒教を基盤にした農村社会(=ヴェトナム共産党の体質)とは、ほとんど相容れない思想である、というのがわかった。(いいとか悪いとかいう判断は、また別の問題であるが)
小田実の死についての1章あり。ふーん。この人にとっても小田実はそれほど大きな存在であったのか。