元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

立花隆「死は怖くない」を読んだ。

2022年04月15日 23時22分44秒 | アレコレ鑑賞

「倉科カナ 休みの日は昼からお酒」

 好き。

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 立花隆「死は怖くない」を読んだ。

 実体験に基づいていたり、論理的に考えたりしている死の本は面白い。この本にもいくつもの面白い話があった。

・クモの巣のように複雑なネットワークを持つシステムなら、どんなものでも意識が宿りえるという理論の紹介があった。人間には意識があるが、その存在を感じられるのは自分自身だけだ。他者に対しての意識は「ありそうだ」という想像を出ない。本の中では生物だけでなくロボットやインターネットにも意識は宿ると書かれていた。確かにインターネットには意識らしきものがありそうだ。それは他者に対して想像する意識と同等のレベルで。

 インターネットを国別に分けたら、それぞれの国ごとの意識が見えそうな気がするし、宇宙人が地球人のインターネットを見たら、地球人の意識を感じるかもしれない。

・意識とは何か?という話が書かれていた。養老 孟司の「バカの壁」だったと思うが、意識とは脳の機能と書かれていた。意識はどこにあるのか?という疑問があるが、それは脳の機能だから取り出すことはできない。それは血流の機能である循環をとりだすことができないのと同義であるというようなことが書かれていた。そうかもしれないけど、つまらない考え方だなと思っていた。

 この本では意識とは感情や感覚、行動、記憶の紐づけだと書かれていた。手を叩かれて痛いと思うだけでは意識が低く、手を叩かれて悲しいと思い、叩き返そうかと考え、昔叩いたことで失敗したことを思い出して手を引っ込める。こうやって意識は作られていく。納得感がある。人によってこの連結は異なり、自分視点だけでなく第三者の目線を取り入れたり、管理者や親など上位者からの立場など、様々な個を紐づけることが高い意識を持つということなのだろうなと思った。


 意識の話が興味深かったので記憶に残っているが、幽体離脱や死ぬ間際に見るという映像などの否定的な話も面白く読めた。

 立花隆は令和3年4月に亡くなっている。ネットを調べてみたが、死ぬ間際に立花隆がなにを考えていたのかが見つからなかったのは残念だった。もう充分と思いながら息を引き取ったのだろうか。自分は家でも病院でも良いのだが、家族に看取られながら死んでいきたい。

 

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