酔いざめの風のかなしく吹きぬける 自責<o:p></o:p>
自責とわざわざ題します。酔いざめの水を甘露甘露と、飲む心境とはいかないようです。昨夜の酔態が脳裏を走り、心を苛むといったところですか。酒のすえた臭いを消そうと窓を思い切り開け放ちました。しかし逆効果、風はこころを虚ろにして吹き抜け、一段と悲しみに打ちしがれるのです。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
啼鴉いたとて誰も来てはくれない<o:p></o:p>
カラスがもの悲しく啼きます。「お前も仲間を呼んでいるのか、ついでに私の友達も呼んでくれないか。」無情にカラスは仲間を見つけたのか、あっさりと飛び立っていきました。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
山羊はかなしげに草は青く<o:p></o:p>
草原につながれた山羊は、陽が落ちかけなければ誰も迎えにはきません。草を食むことにも飽きた山羊は孤独です。白い体をときたま震えるように動かします。草の青さがそれに沁みこむようです。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
ひらひら蝶はうたへない<o:p></o:p>
花から花へ蜜を求めて蝶は舞います。静かな昼下がり、森閑とした空間に蝶は舞います。伴奏もなくひたすら舞います、歌を口遊むこともなく。鮮やかな無言劇です。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
ぬれててふてふどこへゆく<o:p></o:p>
にわか雨が駈け抜けて行きました。花畑は一瞬にして雨の煙幕に覆われたようです。蝶も慌てて飛び立っていきましたが、雨に濡れて体が重くはないのですか。じっとしていなさい。ほら、雨は通り過ぎましたよ。<o:p></o:p>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます