うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の日記を読む その103

2008-10-13 10:33:45 | 日記

二月九日 風雨強くてとても動ける状態ではなく休養を宣言、居続けとなります。<o:p></o:p>

 「お天気がドマグレだから人間もドマグレた、朝からひつかけて与太話しに時間をつぶした。」ドマグレとは度外れた気まぐれのことでしょうか。<o:p></o:p>

 二月十日 風雨がまだ続いていたが出立、途中千々石(ちぢいわ)に泊まる予定でしたが断られ続けて一杯機嫌で行程五里、<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="42:小浜町;" Address="小浜町">小浜町</st1:MSNCTYST>は永喜屋に宿をとります。<o:p></o:p>

 千々石は橘中佐の出生地でして、海を見渡す景勝地に銅像が建立されていると語ります。<o:p></o:p>

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橘周太中佐:名古屋睦軍幼年学校第二代校長<o:p></o:p>

東宮侍従武官を勤め名古屋陸軍幼年学校校長を歴任後、日露戦役に出師、第二軍静岡第34聯隊第1大隊長として遼陽の会戦・前山堡で戦死、明治37.8.31。軍神として崇められる。橘中佐は名古屋幼年学校の象徴で、敬仰の中心で職員、生徒の精神的支柱であった。<o:p></o:p>

 或る店頭で井上前蔵相が暗殺された記事を読んで、日本人は激し易くて困ると嘆いております。<o:p></o:p>

この宿の採点はまあまあといったところでしょうか。食事については朝晩塩辛い豆腐汁を飲ませると苦言、笑わせます。しかし夜具は清潔、敷布も枕掛けも洗濯したばかりとか。木賃宿では珍しい幸運といえるのかも知れません。それよりここの湯は熱くて量も多く、浴びてよく飲んでうまいと御機嫌です。
 「この地は海も山も家も、すべてが温泉中心である、雲仙を背景としてゐる、海の青さ、湯烟の白さ」と讃えています。<o:p></o:p>

二月十一日 快晴、<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="42:小浜町;" Address="小浜町">小浜町</st1:MSNCTYST>行乞、宿は同前。
 今日も御機嫌は続いており、天気も日本晴れで春の陽気といいます。朝湯・行乞・行乞四時間・竹輪で三杯とは恵まれすぎています。
 「水の豊富なのはうれしい、そしてうまい、栓をひねつたままにしていつも溢れて流れてゐる、そこにもここにも。」
 「よい一日よい一夜だつた。」    
 「久しぶりに歩いた、行乞した、山や海はやつぱり美しい。一日風に吹かれた。」 

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4 コメント

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Unknown (■かわぐち えいこう)
2008-10-13 14:57:40
もったいない、と言う言葉はいい言葉です。近くの縄文の故里の温泉ですが、源泉かけ流しとあります。谷間の露天風呂、身を沈めるとお湯のこぼれる音が聞こえてきます。もったいないようですが幸せな気分に浸れます。「ありがたい」と言う幸福感です。
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Unknown (花てぼ)
2008-10-13 21:28:37
このところ、懐かしい地名が沢山出てきます。
「どまぐれる」について、同郷出身の夫と随分言葉を交わしました。適切に表現するのが難しいのですが、結局「平常心を失くす」や「頭が混乱する」とかが一番近いのではないかということになりました。山頭火は「気まぐれ」のように用いているようですが、私たちにとってはこれはどうかなという思いがあります。山口と長崎の言葉の使い方の違いでしょうか。
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Unknown (うたのすけ)
2008-10-14 06:07:47
かわぐち えいこうさんへ。
お早うございます。
こんこんと湧き出でる温泉、浸かっていてもふと勿体無いなあと思う瞬間があのます。貧乏性なんでしょうね。(笑い)
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Unknown (うたのすけ)
2008-10-14 06:23:13
花てぼさんへ
お早うございます。
貴重なご見解ありがとうございます。
お天気が平常でなく、いわゆる異常現象続きで人間も頭がおかしくなると。そういった意味で山頭火は使ったのではないか、ちょっとこじつけですね。(笑い)
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