考えるための道具箱

Thinking tool box

トヨタのアイシス

2004-09-28 22:12:09 | ◎業
トヨタのミニバン「アイシス」です。

トヨタが新型ミニバン「アイシス」を発表 - asahi.com : 経済

いい感じ。

でも、ガイアの生まれ変わりらしい。(※)

でも、なんか、ホンダっぽい。

そういえばガイアも顔がよく思い出せないんだけれど、トヨタのデザイン・アイデンティティにはうなずけるところがあまりないのです。逆にホンダは最近グリルのエンブレムを大きくするなど、かなり自身ありげだし、マツダもエンブレムのよさがよく似合うデザインになってきた。トヨタはこんどの「アイシス」もエンブレムは「ist」のような「i」だし…(ひょっとして兄弟車?)。日産?デザインについてはあまりシフトしきっていない印象(というか完成度が高くない感じ。あ、アイシスは完成度高そうですよ)。もちろん、感覚的なことなので好みは人それぞれだけど、アイデンティティという成約のなかで、バリエーションつくるほうが賢そうな感じがするなあ。


(※)といったことを名言したり、マニュアル全公開したりしているサイトありますけどリンクしません。ググッてください。

プランニングの構え(2)指差して議論のできる企画書

2004-09-28 18:30:07 | ◎業
きわめてあたりまえのことだが、企画書は私見アイデアを披露し決済を迫るものではなく、①問題に対し中庸で客観的な判断材料の全体を与えることで、②課題を抽出し、③その課題を解決するためのコンセプトを策定したドキュメントである。さらに、要求に応じて、その④コンセプトと課題のギャップを埋めるためのストーリーを⑤具体的に検討するものである。もし、①②において、発注当事者が抱える課題以上のものが発見できなければ、この部分は不要になる。しかし、その場合でも、「あなたの考えている課題に相違ない」という追認証明は必要になる。いずれにしても、物事を高い蓋然性を感じさせながら説得していくには、①②は不可欠だ。逆に言うと、この材料がしっかり用意されていさえすれば、③は発注者とともに議論し考えていく、という構えでもよいかもしれない。

そういった意味では、初期段階での良い企画(書)の判断軸は、発注者と指差して議論できるような材料の全体像がそろっていること、という考えも成立する。

たとえば、マーケティングコミュニケーションのプランニングにあたって、①関連する市場(顧客)状況、他社状況、自社状況を洗い出し、SWOTなどで読み込み、②「市場・他社との差分」からおぼろげにみえる「訴求便益」をテキスト化しておく。そしてこれを起点とした④重要なコミュニケーション要素を構造化(=仮に優先順位化・テストーリー化、テキスト化)する。
しかしこれら前後をつなげ束ねる③コンセプト、つまり、「一言でいえばなんなのか」についてはあえてブランクにしておいて、議論のなかでメンバーが共有できる正答を策定していく。ポイントは、コンセプトを頂に振り分けられる前半の①②と後半の③の部分で、もうこれ以上情報はないといえるだけのファクトの航海地図を描けるかどうか。
もちろん、あらかじめ用意している正答へ導いていくファシリテーション能力が重要になるが、うまく行けば、総員の考える課題を棚おろしでき議論が進み、かつ総員が「私が考えた」と納得できる答えが導き出せる。
逆にいきなり③がでてくれば、受け取る側の感想は「正しいような気もするし、間違っている。よくわからない判断できない」ということになってしまうだろう。そういった納得できない状態で、具体的なマーケティングコミュニケーションの表現案の検討に入れば、きっと判断軸もブレブレになる。

いま、物事は複雑化してきており、コンセプトやコンセプト実現のためのアイデアをひとりの頭の中から生み出すのはそもそも困難になってきている。ひとりのアイデアで決済を迫れば、良い悪い以上の結論が出ず思考停止ししてしまう。またA案を通すためオプションのC案を考える、といった策士もそもそも本末転倒。その思考力はファクトの分析とベスト案をシャープにするために使ったほうがいい。

発注者と受注者が知識と知恵を惑いなく1点にフォーカスし、補完しあい、おたがいの知見のせめぎあい合いを止揚することで生まれる新しいアイデア。そのために、「指差して議論のできる企画書」は大切ではないでしょうか。

青山ブックセンター

2004-09-28 14:51:36 | ◎読
明日、青山ブックセンターが再開する(本店&六本木店)。どのような棚を発信するのかとても楽しみだ。まあでも、きっとかなり混雑しているんだろうなあ。

倒産を知ったときは、相当ヘコんでしまい、東京にいる意味は半減するなあ、とも感じたりした。とはいえ、じつはそれまでのABCを見ていると、棚の動きが悪かったり、妙にスカスカだったりしたし、なにより文芸誌や思想書において発売当日の欠本が目立ち、ABCの役目は終わったのか、とも感じていた(ビジネス関連書籍もかなりひどかった)。むかしは、上京したらなにがなんでも夜中でもABCに立ち寄るほどの希少性があったたのだが、この数年、ただ大きいだけではない書店がたくさん登場していたこともあり(ブックファースト渋谷・梅田)、まあ、八重洲で充分事足りていたことも事実だ。つまりは資金力が目利きを凌駕した、ということか。
とすれば、新しくなったとしても、ポジショニングが難しい。かなりマニアなフラグ、ダイナミックな動きのある特設棚が必要になるのだろう(こんなこと考えるんだったら『文学界10月号』買っときゃよかった)。

さて、新生ABCになにを期待しよう。以下はクリアしてほしい最低基準。
 (1)バルトの『文学のユートピア』が平積み。
 (2)ちくま文芸文庫、平凡社ライブラリーがすべてそろっている。
 (3)ドン・デリーロは『マオⅡ』も並んでいる。
 (4)ほぼ日手帳
 (5)『ユリイカ』のバックナンバー、増刊含。
少しハードル高いですかね。ブロックバスターになっていないことを祈ります。
行ったらまた報告します。

経営再建中の「青山ブックセンター」、営業再開へ - asahi.com : 文化芸能