そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月22日(木)18:30@Seattleああカン違い!

2010年04月23日 | Seattle日記
 大学院のゼミでは、担当の院生さんの基礎的発表を聴く。A先生から、あくまでも院生同士に質疑をさせるようにと釘を刺されていたから、余計なことを言わぬよう注意した。一応、漏れなく概説をしてくれたのだが、肝心のテクスト本文はほとんど読んでいない感じで、我々が日本で行なうゼミとは方向性が違うような気がした。しかし、あくまでも院生自身に考えさせることを徹底するとの方針は、優れた指導法であると思う。学ぶところは大きい。

 キャンパス内のギャラリーに入ってみた。現代アートの展示スペースだが、なぜか明治20年の浮世絵「貴顕納涼之図」が展示されていた。明治天皇と皇后が描かれている。カフェがよさげだったが、本日はパス。

 なんだかむしょうに天麩羅が食いたくなったので、夕食は宿舎のすぐ近くの「旬」へ行く。天丼と牡蠣の天麩羅、それに鮭皮サラダに茄子の田楽まで注文してしまった。「旬」は日本語が通じる。板さんに「燗酒はできますか?」とうかがうと、「大丈夫」とのお返事。そこでウェイトレスのヤンキーね~ちゃんに、「お酒は燗をください。銘柄は何がいいですか?」と尋ねたら、「かしこまりました」と行っちゃった。

 しばらくして、「飲みにくいので容器を変えておきました」と持ってきたのが、冷酒である。??? そ、そういえば、「ふなぐち菊水一番しぼり」の空き缶がトレイの上に載せてあったわい!

 きゃああ、「燗」と「缶」を間違えられたんだ。でも、これはおいらが悪かった。それに、細やかなお心遣い、かえって恐縮である。冷酒をありがたくいただく。板さんからも「すみませんねえ」と詫びを言われたが、どうして、どうして。愉快な「カン」違いであったわい。2本目は「男山」の熱燗を注文した。箸と猪口は持参。例の黒江塗を持って来ているのだ。

 帰りにリカーショップでスピリッツを買う。もうワインだけでは飽きてきたのでな。

4月22日(木)9:30@Seattle

2010年04月23日 | Seattle日記
 "Oh my God!"という言葉はよく耳にするが、これを語の全き意味において邦訳するならば、「なむさん!」ということになるのだろうね。しかし、「なむさん」などという言葉も、きょうび、本チャンの僧侶でもあるウチの研究室の院生K君でもないかぎり、理解されないかもしれん。「南無三宝」の略で、「三宝」は仏・法・僧のことですな。

 「なむさん、し損じ」は落語の「山号寺号」(恵方参り)だが、娘が小さい頃大好きなネタだった。「かんごふ山せきじゅう寺」でゲタゲタ笑っておったっけ。その娘から、初めて給料をもらったとメールが来た。結構な手取り金額である。家に食費を3万円入れるように指示。就職祝いのお返しも自分でやるんだよ。どうにか身の立つようになってくれて、親としても感慨深いものがある。

 シンクの上の電球がとんでしまったので、直してもらった。チップは2$渡す。アメリカで生活するのに必要なものは、カードと、1$紙幣なのであった! それ以外の貨幣は必要ないといって過言ではあるまい。バスに乗るにも1$札が要る。なにしろこちらのバスは、釣りをくれないのである。チップは本当に面倒だが、都バスの乗車賃くらいを渡せばいいのだと得心したら、さほど苦にもならなくなった。A先生に、チップは最初うんとはずんでおくのだとコツを伝授されたから、部屋の掃除に最初は5$札を置いた。なるほどサービスがよい。掃除は3日に1度くらいお願いする。部屋はほとんど汚れないし、キッチンのゴミを処理してもらい、タオルやトイレットペーパー、シャンプーと石鹸を補充してもらう程度である。下手にカーペットを掃除してもらうと、部屋中に有機洗剤の匂いが立ち込めて気分が悪くなる。

 ワークショップは5月11日の15:30~17:30ということに決定。もうpptは作ったから、あとはUさんと細かな打ち合わせをすればよい。大学院のゼミは今日から本格的なセッションに入るので、予習を綿密に行なう。