そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月22日(木)3:00@Seattle

2010年04月22日 | Seattle日記
 21日の出来事。雨の中を洗井大学へ行く。トレイルは緑のトンネルと化しているが、雨が降ると寒い。NYで買ったドミニカ共和国製のウール・ジャケットを着用する。

 文語の授業は、百人一首を全歌やるので、もはや1回5首のペースを維持しなくてはならない。途中、余計なことを挟んだせいで、5首目の質問は次回へ繰越しとなった。

 余計なことというのは、友則の歌の枕詞を説明したついでに、「アメリカ」にかかる枕詞は何か?というクイズを出したからだ。案の定、これは結構ウケた。

  ひさかたのアメリカ人の始めにし
       ベースボールは見れど飽かぬかも(正岡子規)

 言うまでもなく当地は、イチローの活躍するマリナーズの本拠であるからして…。升正岡子規が「野球(のぼーる)」という号を用いていた話も、受講生の目が輝いていたから、効果的であった。時々こういう「つかみ」が必要であること、日米変わりはありませんな。

 A先生と、大学院のゼミの今後の進め方を相談する。1つのテーマ・テクストは4回で1つのセッションを形成し、明日は基礎事項について院生に発表してもらうことになっている。最後はディスカッションの回となるが、中の2回をどうするかが問題だった。そのうち1回はクローズリーディングに当てるとして、もう1回については、A先生の提案により、そのテクストに関連する論文を読むことになった。どうなることやら、やってみないといまだイメージが掴めない。最初は英文の論文を取り上げることで合意。

 帰宅して、夕食には、焼きそばを作り、生サケの切り身を調理した。当地はサケがとても美味しい。バター焼きにしてから玉葱スライスを載せ、朝食の際に確保しておいた牛乳で少し煮込む。ソースをもうちょっと濃厚にすべきだった。もう1品に、大豆モヤシをスチームケースに入れて2分電子レンジにかけ、お湯で洗って小丼に入れてから、ダシつゆ、みりん、マヨネーズ少々をぶっ掛けて揉み、最後にすり白ゴマを合えて即席ナムルにしてみた。これは実にオツである。私には、もしかしたらよほど調理の才能があるのかも。また、スモークサーモンとチーズを小さく切ってツマミとする。本日のワインは、これまた10$ちょっとで買ってきたSaint Michelleの" Sauvignon Blanc Horse Heaven 2008"なる白ワインを開けた。毎日がWA産のワイン三昧だ。

 いささか旧聞に属するが、なにはの歌会は盛況であったよし。担当した選歌について気になっていたのだが、やはり秀吉の辞世を入れておいたのが効果的だったらしい。