夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

飯ごう炊さん

2010-09-13 15:51:43 | 私と福祉とであいの旅
 9月12日(日)~13日(月)
 パン工房・ゆいまあるの秋季キャンプが行われた。メンバー18名とスタッフ13名が参加し、岩木山嶽高原にある「青少年スポーツセンター」で1泊2日である。
 

 天気は曇りから夜から翌日には、雨という予報である。気温もこの日は24℃とかなり涼しいので、高原では更に2℃ほど下がっている。
 青少年スポーツセンターは、かつて我々の前身施設「生活リズムセンターノーム」がスタートした土地である、嶽高原に設置された青少年健全育成を目的に建てられた施設である。
 昨年は十三湖でのカヤック乗りやシジミ採り、そして飯盒炊さんを目的に開催された。
 今年はこの宿泊施設の屋外でのテント生活を企画したが夜半の大雨を予想して、急遽建物内での宿泊に変更となった。
 メンバーさんたちや職員の一部では、こうした屋外キャンプの経験者が少ないようだ。だから火を起こしたり、飯ごうでのご飯炊き、テント張りなども未経験でどうすればよいのかわからない。便利な電気生活にどっぷり浸かっていると、いざ災害時などに生活がたちまち行き詰まってしまうことになる。更にハンディキャップがあると、保護者が過剰な介護をして結局料理もした経験がないと言うことにもなる。今回のキャンプでは自分たちで食事メニューを決め、失敗を恐れずにやってみようということだった。
 お昼の食事準備から、まず始まっている。メニューはシチューとサラダだった。飯ごうでの炊飯は職員も経験者が少なく、説明をするところから始まった。水加減や火の調節などを教えて、ようやく何とか炊き上げている。
 飯ごうは本当に優れものだと思う。もともとは軍隊で開発されたものらしい。中蓋刷りきりで2合分の米を計量できるし、水も2合と4合のメモリ分を入れれば、うまく炊くことができる。米も4合分炊けるし、味噌汁なども煮ることもできる。コンパクトで軽量である。ただし標高の高い3000メートル級だと、気圧の関係でお湯の沸点が変化しめっこ飯になってしまう。そのためにアルミホイルなどで中蓋を作って炊くとなんとかできる。このために圧力釜などがあれば何の心配もいらないのだが・・・。
 外蓋一杯で2合分の水が計れるし、外蓋摺り切りで3号の米を計ることができるという優れものである。

 さて、こうして始まったキャンプであるが、午後のプログラムは自然散策をするグループ、体育館でバドミントンをするグループ、屋外でグラウンドゴルフをするグループに分かれて活動をした。私はといえば留守番と称して、孟宗竹を栗畑から切り出してきていた。何をするかといえば、食器作りをするためである。盛皿、スプーン、箸、箸置、爪楊枝、菜箸、バーベキュー用の串などである。ハンドメイドの時間をたっぷりとっていたら、このスポーツセンターの一角でサッカー大会があり、お兄さんの応援につれてこられたという子ども二人が珍しさ見たさにそばに張り付いた。ひとりは小学3年生の女の子で、もうひとりは4歳の男の子だ。
 竹の端材を使ってペンダントや笛を作ってあげると、約2時間ずっとそばで遊んでいた。こういう楽しさが自然の中にあることを、伝えるのも大事な仕事だなとそう思ったりしている。でも最近はおかしな大人たちが巻き起こす性犯罪などで、刃物を持ったおじさんのそばで遊ばせる親もいないかと思ったりもした。
 夕食後はキャンプファイヤー、花火、フォークダンスと盛りだくさんでみんなは楽しそうに歓声を上げていた。このセンターには温泉施設もあり、硫黄泉のこの温泉でゆったりと疲れを浸した。
 このセンターが最も脚光を集めるときは、冬2月のスキーマラソンの時だろう。三笠宮殿下がお元気な時はここに来て一緒に走っていたこともあった。そのためか貴賓室という部屋もあって、私たちはこの夜この部屋で寝ることになった。夜10時消灯の音楽が鳴り、朝6時にはまた起床合図の音楽が鳴った。昨夜は結構大降りのい雨の音が屋根を叩いて聞こえていた。
 朝食を済ませた私たちはこのあと、この建物のそばにある「シトゲ森」という300メートルほどの高さの山へと足を伸ばした。暑かった今年の山々の自然は、どのような影響があるのだろうか。熊があちこちの畑に出没することを聞くと、、食糧不足が気になってしまう私である。
 森の中を歩いた私たちはその足でまた、清水寺を模した東目屋にある清水観音の212段の石段に挑戦した。みんな疲れた表情はあったが、楽しさと達成感を身体に刻んで帰宅していった。
 ただ働くばかりを教えるのではなく、人生の楽しさをこうしていただくゆとりもぜひ味わい続けてほしいと願うのである。