夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

十和田市「農園カフェ・日々木(ひびき)」訪問

2010-09-11 09:50:19 | 私と福祉とであいの旅
 9月10日(金)
 SWセミナー打ち合わせ後、市内の飲み屋で楽しく飲み語った余韻を引き連れて、翌日は十和田市にあるA型事業所「田園カフェ・日々木」に向かった。
 約束の時間までまだ間があるので、途中のスーパーに寄った。田舎のスーパーにしては、とても規模の大きい場所であった。
 私たちの関心の場所は、パン屋さんや野菜売り場である。やはり青森県産は新鮮で安いことがよくわかる。かぼちゃは100g38円で、700円というものもあった。これからわが農園もじゃがいも、ミョウガ、かぼちゃなどが販売される予定だ。
 さて、予定時間となって、訪問先に到着。まず、農園の見学。施設管理者はNPO法人のH氏で、カフェレストランのほうは社団法人理事長T氏だった。
 農園では果実「ブルーベリー」が2400本、カシスなどが広大な農地に植えられていた。こちらの方は就労支援B型で運営しているという。野菜は黒豆、これから水耕栽培のトマトのビニールハウスを建てるという話であった。このほかビニールハウスでは、下請けの仕事で水道メーターのシールはがし作業を行っていると聞いた。ブルーベリーは今年サクラドリが大群でやって来て、相当被害を受けたらしい。
 その後カフェレストランにお邪魔し、理事長で野菜ソムリエの肩書きもあるT氏から、A型事業所の運営内容について説明をいただき、内部も見学させていただいた。古民家を改築したという建物は、和風ながら空間的のも広々とした素敵な内装であった。平日にもかかわらず、昼になると20人くらい座れる食卓は満席になっていた。
 私たちは説明を受けた後、建物奥にあるB型事業所も見せていただき、昼食の野菜カレーやナスのチーズケーキなどでお腹を満たした。
 できて間もないこの事業所ではあるが、A型事業所がより身近に感じることができた気がした。

八戸市でのソーシャルワークセミナー打ち合わせ

2010-09-11 07:03:58 | 私と福祉とであいの旅
 9月9日(木)
 八戸市で10月24日開催予定の「青森県ソーシャルワークセミナー」の打ち合わせと、翌日には十和田市のA型事業所を見学する予定で移動した。
 わがスタッフ3名と家内と私で5名である。
 
 10月24日のSWセミナーの打ち合わせは、当初会場を予定している八戸市総合福祉会館で行われる予定であった。しかし、参加メンバーである自閉症のお子さんを持つHさんから急遽打ち合わせの場所の変更依頼が届いた。息子さんが通っている自閉症者の日中活動施設に「行かない宣言」を出したので、家に来てほしいとのことだった。
 昼食を済ませてHさんの家を訪問すると、Hさんと息子さん、それに息子さんをケアするホームヘルパーの男性、そして今回のセミナーのコーディネーターをお願いする「ライフ」事務局のKさんが在宅していた。私たちが訪問して間もなく、残る参加者県のケアマネ研究会事務局Y氏が集まってきた。
 息子さんの歓迎のセレモニーがすんで、早速このセミナーの内容について話し合いをした。
 Hさんの自閉症の息子さんRさんは、かつて北海道の自閉症の方が多く入所する施設で青年期を過ごしたという。そしてHさん夫妻はRさんの18歳を機に、いったんRさんを退所させた。そして彼の社会的自立のための彼専用の立派な家を郊外の静かな住宅街に建設した。私もその建物をHさんの案内で一度見学したことがあるが、彼の自閉症という特性を考慮した建物であった。しかし親の良かれと思う息子の幸せの条件という形と、これでは自分らしくないというR君の主張の違いが、その後の生活のための城を大きく変貌させてi行ったという。
 R君の思いは、自分らしい暮らしであろう。私たちが快適と思われる生活条件とそれはまた大きく違う点でもある。せっかく彼のためと思って敷設されたエアコンも、台所の冷蔵庫や棚なども破壊の対象だった。結局彼は広い部屋の真ん中に寝ることはなく、押入れの中に自分の安心の場所を求めていた。外の世界が見えると落ち着かないということで、窓という窓は中から見えないようにふさがれていた。
 R君の施設からの退所を幸せだと思ったその思いは、今や大きく母親の心の中で退所させなかった方が息子さんは幸せだったのではないかという葛藤になっているらしい。
 退所させなければR君は社会との軋轢に混乱や抑制、そして彼の社会生活への思いとは逆のストレスによって、自分の指のつめはがしという自傷行為などはなかったのではないかと語った。

 このHさんの思いを中心に、八戸市で障害者施設長・そして生活支援ネットワークライフ事務局のK氏にコーディネート役をお願いし、障害者施設長で青森県ケアマネ研究会事務局のY氏、そしてわが法人の次長S氏には弘前地区の障害者支援の状況と、法人で相談事業を立ち上げた理由などを主に話してもらうことにしている。

 私が最も今福祉理念と現実社会の中での乖離を感じているのは、「障害?者」と「障害社会」である。障害を負って生まれてきた人々に対しての言葉「障害者」が法律用語となっているが、、未だにその用語に対して相応しさを感じ得ない。「差し障りと害悪ナ者」という表現やイメージにはいつも納得が行かない。
 一人の人間として生まれながら、何らかの病因やアクシデントによって心身の不随意な状態に置かれた人たちなのではないか。その人々に対して個別の相応しい支援のあり方を準備すべき社会が、未だに偏見や差別、そして隔離などの施策をとり続けていることは明らかに、国連の国際障害者年宣言からいくらも進化していないといえる。そういう社会こそが「障害社会」と言うべきなのではないかと思う。

 ※1981年に国際障害者年が開催され、国連において障害者の権利宣言がなされたのは記憶に新しい。
 テーマは「完全参加と平等」で、主な内容は下記の通り
 ・障害者の社会への身体的及び精神的適合を援助すること。
 ・障害者に対して適切な援護、訓練、治療及び指導を行い、適当な雇用の機会を創出し、また障害者の社会における十分な統合を確保するためのすべての国内的及び国際的努力を促進すること。
 ・障害者が日常生活において実際に参加すること、例えば公共建築物及び交通機関を利用しやすくすることなどについての調査研究プロジェクトを奨励すること。
 ・障害者が経済、社会及び政治活動の多方面に参加し、及び貢献する権利を有することについて、一般の人々を教育し、また周知すること。
 ・障害の発生予防及びリハビリテーションのための効果的施策を推進すること。

 施設入所がその人にとって幸せだという主張は、今の私には認められない主張である。どのような人であれ、、共に暮らし、共に理解し合いながら、共に支えあう社会の構築は21世紀のあるべき社会だし、哲学だと確信している。施設入所はあくまでも限定的に、そして目的達成的でなければならないと思う。終の棲家として社会的隔離をすることは、人権侵害につながると考えている。
 「地域で暮らす」ことが可能となる条件とは何か?をこのセミナーで明確化したいと思っている。