夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

With needs and seeds

2010-09-02 08:50:21 | 私と福祉とであいの旅
  ニーズ(neds)とシーズ(seeds)とは何か?
 
 ニーズとは顧客の求めているものであり、シーズとは企業側が顧客の求めているものへ提供する知識や技術等の商品のことである。

 昨日、ボランティア支援センターから紹介されたという男性(60歳)がやって来たので面談した。
 受け入れ(施設)側のneedsは、農耕班の活動である。この場合のシーズはボランティアの方の興味や意欲、関心であり、特技や経験がそれに当たる。そしてボランティアの方の自分の希望(やってみたいこと)がニーズであり、その希望にこたえるのがシーズということになる。
 今回の事例では、この男性の求めと、施設側の求めているものが一致しなかった。彼が希望するものは、小地域でのボランティア活動であり、具体的には独居老人などへの買い物活動や党機関の雪下ろし(雪片付け)活動である。他の地域から来た彼には、どこに自分のやりたい活動のニーズの方がいるかわからないのであった。
 結局施設のニーズとは合致せず、町会の民生児童委員さんを探して自分の意向を伝えることから始めたらと進言した。
 このケースでの課題は、インテークと呼ばれる事前面接の過程で彼のニーズを十分把握しなかったことと、それのかなう場所へつなげていないことである。

 施設の介護支援サービス場面でも同じようなことが言える事例がある。それは、施設サービス利用者の本来的なニーズと施設側のシーズである。本人の希望が必ずしも妥当なニーズとはいえない場合がある。それは希望するものが提供できるサービスノウハウを超えたり、心身の健康を損なうことへのサービスへの求めなどである。
 そして施設側のシーズの課題は、本来的にもしくは潜在的にクライエントが必要としているニーズにこたえるべき水準のサービス技術を開発したり、提供できないことが上げられる。介護が誤った視点や価値観で進められると、そのケアは欠陥サービスとなる。正しいケアの基本を誤ると、歯磨きケアでは歯茎の歯肉炎を起こすことにつながる。結果的に発熱や痛みを伴って、食欲低下を引き起こすということにもなるのである。
 そういう意味では「顧客の満足感」ということがシーズ側で常に点検しなければならない指標である。障害のある顧客側にとっていえば、コミュニケーション上の困難があるのだから、彼らの外観上の変化や表現に頼らざるを得ない。ゆえに随時の全身観察はすごく大切だなとSeeds側の課題を提言したい。