TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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自殺・うつで経済損失2.7兆円?

2010-09-08 07:04:02 | メンタルケア
厚生労働省は、うつ病をきっかけとした休業、失業で労災補償や生活保護の給付の必要が生じたことによる国の負担増を合わせた経済的損失が計約2兆7千万円になると推計しています。

 この数値は厚生労働省が、国立社会保障・人口問題研究所に委託した結果のものです。
 
 自殺やうつ病による経済的推計額は以下の通りです。
・自殺死亡がゼロになることによる所得の増加 1兆9,082億円
・うつ病による自殺や休業がなかった場合、
 労災補償給付の減少               456億円
・うつ病がきっかけとしての
 休業がなくなることによる賃金所得の増加    1,094億円
失業がなくなることによる求職者給付の減少    187億円
 生活保護費、医療費の減少       6,017億円


 このような数値を推計するということは、現代日本社会にとって、うつ病が深刻な病であるということなのでしょう。

 また、企業が実施する職場の定期健康診断に、職場に起因するストレスを調べる方法を厚生労働省の検討会がまとめています。

 その新たな健康診断の仕組みでは、ストレス症状を確認し、医師が「面接が必要」と判断した場合、その該当従業員に通知し、専門医の受診が勧められるとともに、産業医が事業主に配置転換、時間外労働の制限、休業の助言をします。

 この仕組みが実施されれば、うつ病の予防になるのでしょうか。予防医学の重要性が言われていますが、うつ病にならないような企業の仕組みづくりが一番必要なのではないでしょうか。

 とはいっても、グローバリゼーションの進展により、企業間競争が激烈になっている今、従業員への負担、ストレスは増えることはあっても、減ることはない状況にあります。

 21世紀は「心の時代」と言われていましたが、その通りになっています。私は、最近は心理学関係の本を読むことが多いのですが、心理学を基にした心理療法の根底にあるのは、人生観です。

 心の時代とは、人生観を考える時代と言えるのではないでしょうか。ストレス社会とは、自分の生き方を真剣に考えなくてはならない時代なのではないでしょうか。