TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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「生きる意味」(諸富祥彦著)」を読む

2010-09-26 14:18:58 | 今週の一冊
 諸富祥彦著の「生きる意味-ビクトール・フランクル22の言葉-」を読みました。



 この本の中でフランクルが述べていることではないのですが、つまり著者の考え方ということなのでしょうが、以下のことが書かれています。納得です。以下引用です。

 例えば、キャリア心理学では、よく次のように問います。
「あなたがしたいことは何ですか。あなたが人生で叶えたい三つのことは何ですか。あなたの人生の目標は何ですか。どんな希望や願望を実現したいでしょうか。その目標を十五年後に達成するために、まずはどのようなことから始めたらいいでしょうか」

 しかし、人生観そのものの根本的な転換を迫るフランクル心理学では、こうした問いそののものを逆さまにします。

 「あなたは、この人生いま何をすることを求められているいますか。あなたがしたいことではなく、あなたのことを本当に必要としている人は誰でしょうか。その人はどこにいますか。その誰かや何かのために、あなたにできることには何があるでしょうか」と、このように自問自答せよ、フランクルは言うわけです。

 つまり、このようなことです。

「自分の幸福を求めて、自分がしたいことをやるのが人生だ」という人生観から脱却し、「自分がこの世に生まれてきたことの意味と使命とを実現していくのが人生だ」という人生観へと転換することなのです。

 この本に要約として、以下のように書かれています。

「自分中心」「自己実現中心」の生き方から、「人生からの呼びかけに応える生き方」「意味と使命中心の生き方」へと、生き方を百ハ十度転換せよ。そうしなければ、真に穏やかな幸福は決して手に入ることはないのです。

 今、キャリアデザインとか言われていますが、この考え方では、人間はもっともっとと自己実現の目標を高めていき、結局は、満足しない生き方をするのではないでしょうか。

 人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に問いを発してきているのです。

 私は納得です。