TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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「すごい製造業」-日本型製造業は不滅-を読む

2008-01-19 18:44:58 | 今週の一冊
 今日は、中沢孝夫の著書「すごい製造業-日本型製造業は不滅-」を読んだ感想を書きます。

 この本は、日本の製造業の強さを書いています。激烈な開発競争を展開している大企業とそれを支える高い技術力を誇る多数の中小企業が日本の製造業です。両者がたゆまない努力を続け、切磋琢磨している限り、強い日本の製造業はゆるぎないということです。

 これは日本の大きな内需が競争力を生み出しているものだと著者は書いています。20年前から言われている産業の風洞化についても、製造業は本拠地を日本から動かしていないと書かれています。それから、すごい製造業を支える技能工は4つのレベルに区分されます。レベル4は海外での教え手レベルで、いわば技能5輪の入賞者たとなのでしょう。このレベルの人材が日本には多く存在するので、製造業は強いわけです。

 私は、著者の考え方に納得半分です。日本の技術、技能が高くそう簡単には衰退しないということには賛成です。しかし、空洞化については、中小企業の現場を見た経験から、中小企業で単純な部品加工の製造業も多く存在しているのです。これらの部門は中国へと移転してしまったのではないでしょうか。このことも産業の空洞化というのではないでしょうか。