あび卯月☆ぶろぐ

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加藤絋一宅放火事件について

2006-08-20 01:22:02 | 政治・経済
十五日に加藤絋一・自民党元幹事長の自宅が放火された事件に関して政府・与党から
「日本は大政翼賛的になっている。右傾化の流れはよくない」
という声があがっているそうです。
私にはその理窟がよくわかりません。
今回の事件は右翼によるテロでしたが、このことを以って右傾化が進んでいると言えるのでしょうか。
右翼のテロが盛んになるのはむしろ左傾化が進んだ時であって、
右傾化が進むとむしろ右翼はわざわざテロなどを起す必要がないはずです。

そして本当に右傾化が進んでいるのであれば、先日、ロシアによって日本の漁民が射殺されたことに対してもっと国民が怒ってよいのではないでしょうか。
しかも、今回は実際に日本国民の命が失われているのです。
ある意味、北のミサイル発射より実害が出ているという点で深刻です。
が、北朝鮮のミサイルには一応、右翼は怒ったようですが、
今回のロシアによる殺人事件では国民どころか右翼ですらあまり大きな声をあげているとは思えません。
朝鮮のやることは赦さぬがロシアのやることは仕方が無いということなのでしょうか。

結局、右傾化にしろ左傾化にしろ皆、本気になっていないと言うことです。
最近は、右傾化の風潮があるというだけで言わば流行っているだけでしょう。
本気で考えている人も勿論いるのでしょうが、
かつてのの学生運動のようにファッションでやっているんでしょう。
ですから、若くて保守や愛国を名乗る人ほど信用できません。
私も保守的なことばかり言っていますが信用なさらぬよう。
(ちなみに私は「愛国者」などではなく最も不忠な国民の一人です。)

さて、話を元に戻しますが、加藤氏の自宅が放火されたことは良い事ではありません。
が、民主主義の危機でもなければ右傾化でもない。
そもそも、独裁国家よりも民主主義国家の方がテロは起こりやすいのです。

それにしても、なぜ加藤氏を狙ったのでしょうね。
彼のように既に権力も発言力も殆ど無い政治家を狙ったところでなんの得があるというのでしょうか。
結果的に反靖國勢力を利する結果になっただけだと思います。

今回の件で一番腹が立ったことはこの右翼を
「憂国の志士、あっぱれなり!!!」
などと言って褒め称えた者がいたことです。
http://pixie0619.livedoor.biz/archives/50675432.html
この事件の犯人が「憂国の志士」だとすれば、
国を憂ふことは斯くも安っぽいことであったのでしょうか。
もちろんそうではなく、本当の意味での「憂国の志士」に対して失礼な話です。

私は政治テロが起こる事よりもこのような言説を吐く者が増えることにこそ危機感を覚えます。

手塚治虫と宮崎駿

2006-08-20 00:39:02 | 漫画・アニメ
『爆笑問題 死のサイズ』で太田光が「宮崎駿は人間否定だけれど、手塚治虫は人間肯定だ」と言っていた。
私もその通りだと思う。

手塚治虫も宮崎駿も自然の素晴らしさを謳う点では共通しているのだけれど、
宮崎駿の方は決定的に人間を否定している。
私は手塚治虫の考え方の方が好きだ。
確かに地球環境の為には人間など絶滅してしまった方が良い。
が、そういって人間を否定することは簡単で、
むしろ、そんな人間を肯定する方が実は大変なのだ。
私は本気で人間を滅ぼす気も無いくせに人間を否定する人よりも
人間の愚かさを自覚した上でその人間を肯定する方が魅力を感じる。

宮崎駿の作品を愉しみつつもどこか説教くさく感じることがあるのはそういう点だろう。
『となりのトトロ』はそういう気持ち抜きで純粋に楽しめるのだが、
『もののけ姫』はそれが全面に出ていてなんだか居心地が悪い。

駿の息子の『ゲド戦記』はまだ見ていないのだけどCMで「命を大切にしない奴なんか大嫌いだ!」と言う台詞を聴いてこの映画は見たくないなと思った。
いや、食わず嫌いと言われればそれまでだし、実際、愉しまれた方には申し訳ないが、この台詞は説教臭さの最たるものだと思う。
命を大切にしなければならないことは正論であろう。
が、私は命を大切にしない者よりも、命より価値あるものを認めない者の方が嫌いである。