あび卯月☆ぶろぐ

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最近の小林よしのり

2006-08-02 02:10:06 | 歴史・人物
最近の小林よしのりは随分良くなっていると思う。
相変わらず、所謂「小林よしのり信者」には辟易させられることが多いが、
小林よしのりはこれからもっと良くなっていくと思う。
『いわゆる「A級戦犯」』は良作であったし、最新号の『わしズム』(19号)も良かった。

『いわゆる「A級戦犯」』は「A級戦犯」を知る上で大変役に立つ。
新ゴーマニズム宣言を読むよりよほど価値があると思うし、
新ゴーマニズム宣言を読まない人もこの作品は読んで欲しいと思う次第。
多くの日本人は「A級戦犯」について東條英機くらいは知っていても、
他の人に至ってはおそらく名前すら知らないだろうから。

最近の小林よしのりが良くなっているというのは
『わしズム』19号を読んでもわかるように彼が昨今の右傾化を憂いているからだ。
彼はナショナリストだけれども偏狭なナショナリズムは認めていないし、
所謂「ネットウヨク」に対してはほとんど罵倒している。
このバランス感覚は大切だと思う。
『わしズム』19号の討論会企画のなかで、鈴木邦男(新右翼・一水会顧問)も
はじめ左だった小林が次に右にいって今、左右を蹴飛ばす姿勢を持って来たので
「どんどん良い方向になってると思う」と述べていた。

ただ、反米に偏りすぎていることには疑問があるし、
新ゴーマニズム宣言を終了して「ゴー宣・暫」という新シリーズを始めた意図もよくわからない。
また、「ゴー宣・暫」序幕第三場で『嫌韓流』などの漫画は「絵解きのプロパガンダに過ぎない。」と批判していたが、
私にしてみればゴー宣もプロパガンダとは云わないまでも「絵解き漫画」であることには変わりない。
故に彼が言うようにゴー宣は「私小説的」だとも思わない。

他にも最近のネット上に見られる朝鮮人差別は『嫌韓流』の影響であり、
「これも『ゴー宣』の影響だといわれたんじゃたまったものではない。」
と書いていたが、『嫌韓流』の作者が述べていたように
『嫌韓流』を生み出したのは『ゴー宣』であったのだから、まったく関係無いとはいえないだろう。
第一、今まで公にされていなかった歴史の事実を解き明かすという内容においては
『ゴー宣』も『嫌韓流』も大して違(たが)わないと思う。

それに小林よしのりは「わしは差別とか朝鮮人差別とか嫌いなのだ」と書きつつ、
支那人に対しては
「中国人の感覚とは そういうものなのだ。 これは単なる 偏見や差別ではない。」
「徹底的に自己中心的!」(「新ゴー宣」第204章)
と書いたり、アメリカに対しても
「アメリカが嫌いなのはやつらが強欲でバカだからだ。」(「新ゴー宣」第190章)
と書いている。
差別と朝鮮人差別はいけないが、支那人と米国人は差別してよいということか。

ところで、私は「あらゆる差別は絶対にいけない」などとも思ってはいないし、
差別と批判の客観的な区別など到底つくはずが無いと思う。
結局、感情に依拠しない主張というものは存在しないのだから、
その感情を作り出す情報が正確であればいのだ。

縷々、批判したようだが、小林作品が興味深いというのは正直なところだ。
どのような主張になるにせよ、今後のゴー宣のゆくへを楽しみにしている。