あび卯月☆ぶろぐ

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北方領土を思ふ

2006-08-26 22:49:25 | 政治・経済
所用で博多に行ったら博多駅の駅ビル内で「北方領土展」という催しをやっていた。
展示のパネルを眺めていると一人の男子高校生に話し掛けられた。
話によると、根室からはるばるこの催しをやるために博多までやって来たのだと言う。

この日、博多に来たのは男子生徒一人、女子生徒二人、教師二人。
私はその内、この男子生徒と女子生徒一人、教師一人と話をした。
話を聴いていて私は改めて北方領土問題の深刻さを思い知らされた。

例えば、先日、根室の漁民が一人ロシアに殺害され現在も三人が拿捕されたままだが、
私と話をしたこの女子生徒の父親の友人がまさに殺害された漁民、盛田光広さんなのだ。
この生徒たちの親御さんは皆、漁民であり生活してゆく為にはこの危険な海域で操業せねばならないわけで、
今度のロシアによる狼藉はまさに身近で切実な問題なのである。

そして、生徒の祖父母達は皆、北方領土出身なのだという。
話によると、彼らの祖父母達は終戦時にソ連が侵掠して来た時、命からがら島から逃げてきて、
そして、今でも納沙布岬から北方領土を眺めては悲しそうな顔をするのだという。
そういう祖父母の顔を見るたびに胸の奥にこみ上げて来るものがあると語ってくれた。
自分の故郷を他国に侵掠された悲しみは如何ばかりだろうか。
その悲しみは今も続いているのである。

他にも根室高校の先生は小泉首相について話してくださった。
曰く、小泉のせいで北方領土返還の気運が一気に逆戻りしてしまった、と。
小泉首相は北朝鮮の拉致問題にはある程度取り組んだかも知れないが、
確かに北方領土問題に関してはまったく無関心であった。
これは歴代首相の中でも特筆して酷いらしい。
先生のお話によると二月七日の北方領土の日に毎年行われている「北方領土返還要求全国大会」に今年、小泉首相は欠席して、
ロシア側の代表団は皆、首相が来ないからといって帰ってしまったという。
「(首相欠席の)理由は国会が忙しいからだと言うんですよ!」
先生は小泉首相に対して怒りをあらわにされていた。

私はこのようないきさつを一切知らなかった。
自らも北方領土問題に関して無関心であったことを恥じ入るばかりだ。
我々、一般国民にとって北方領土問題は自国の問題にもかかわらず半ば他人事のように捉えているが
根室の人々にとっては先に述べたように切実な問題なのである。

小林よしのりは『沖縄論』において日本国民の関心が沖縄に向けられていないことを糾弾していたが、
北方領土に関しても同じことである。
日本人は自国の問題でも自分に関係ないことには目を向けたがらないし、
自らの生活そのものに影響を及ぼさない限り本気になって考えない。
だから政府だって本気でこのことに取り組まないし、首相だって平気で「返還大会」に欠席する。
結局、日本は理念無き国民が住む理念無き国家なのである。
勿論、この「理念無き国民」に私も含まれよう。

北方領土の返還を実現させる為には
我が国がロシアのように武力で以ってそれを成し遂げることが出来ない以上、
ロシアとの協議によって行われる他ない。
その協議を活発に行われるようにするには
「プロ市民」みたいなことを書くようだが、やはり「多くの国民の声」が必要なのである。
拉致問題が後に引けなくなったのは国民の声があまりにも大きくなったからである。
そういう次第で、この記事を御覧になった方は是非、まわりの方に北方領土の話を伝えてください。
そうすれば、根室高校の生徒さん方もはるばる博多まで来た甲斐があったというものでしょう。

今回、根室からやってきた高校生は北方領土返還の為に様々な運動をしていて、
麻生外務大臣や武部幹事長に会ったり、櫻井よしこさんを講演に招いているのだという。
(小泉首相にも会ったが、本気で対応してくれなかったと嘆いていた)

別れ際に根室の高校生や先生と「これからも頑張ってください。私も国民の一人として影ながら応援します。」と握手を交わした。
そういう次第でどうも北方領土の問題は身内の問題のように思われてこういう記事になってしまった。
なんだか、運動家じみた記事になってしまったがお察しくださるよう。