皇位継承、長子優先 内親王は宮家創設へ 有識者会議、24日最終報告
政府の「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大総長)は二十一日の会合で、女性・女系天皇を容認した場合の皇位継承順位について、男女を問わず長子(第一子)優先とすることで一致した。また、女性皇族が結婚後もその地位にとどまることで皇族の増加が予想されるが、皇族の子孫をすべて皇族とする現在の「永世皇族制」は維持する。
有識者会議は、二十四日に最終報告書を小泉純一郎首相に提出する。政府はこれを受けて皇室典範改正案を来年の通常国会に提出したい意向。有識者会議の決定に沿った改正案が成立すれば、皇太子ご夫妻の長女、愛子さまの皇位継承順位は二位となる=図。
皇位継承順位については、「長子優先」と「兄弟姉妹間では男子優先」のどちらを選ぶかで議論が続いていた。しかし、二十一日の会合では、「長子優先とした方が、国民が将来の天皇の成長をご幼少のころから見守ることができ、分かりやすい」との意見で一致した。
「男子優先」が望ましいとの意見は、男子がいつ生まれるかで皇太子が定まらない不確定な期間が想定されるため、「不安定な制度だ」として退けられた。
また、女性皇族については現行の男性皇族と同じ扱いとし、天皇の姉妹や娘、孫にあたる「内親王」と、内親王や親王妃らを除く女性皇族の「女王」とで区別。内親王については自らの意思に基づく皇籍離脱を認めず、結婚後は宮家を創設できるようにする。女王は、結婚などで皇籍を離脱するかどうかは自らの意思で決められるとした。今月十五日の結婚に伴って皇籍離脱し、黒田清子さんとなった紀宮さまの場合、仮に有識者会議の決定に沿った皇室典範改正後の結婚であれば皇族にとどまり、夫の黒田慶樹さんが皇族となる。
吉川座長は会合後の記者会見で、皇室の伝統尊重の立場から、男系による皇位継承維持を求める学者らの発言が相次いでいることについて「私たちは歴史観や国家観で案を作ったのではない。歴史観は国会で議論すべき問題だ」と強調した。
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皇室典範 皇位継承順位の決め方や皇族の範囲などを定めた法律で、昭和22年に制定された。1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が継承する」と限定している。しかし、現行制度のままでは将来的に皇位継承者がいなくなることも想定されるため、小泉純一郎首相の私的諮問機関として設置された有識者会議が議論を進めてきた。
(産経新聞) - 11月22日3時1分更新
何故、「長子優先」という結論に落ち着いたのか。
まったくもって唾棄すべき結果である。
この「皇室典範に関する有識者会議」の「有識者」は男系天皇の意味するところがまったくわかっていないのか。
解っていてかかる結論を出したのであれば彼らは確信犯だろう。
何度も言うように女性天皇と女系天皇は違う。
日本は二千年以上男系の天皇を戴いてきた。
言い換えるならば、
男性の天皇のみが持ちうるY染色体を二千年以上受け継いできたということである。
女性天皇が民間人と結婚し、その子が(男女問わず)天皇になった時点で、
即ち女系の天皇を戴いた時点でそれは天皇でない。
少なくともそれまでの天皇とは異なった天皇である。
長子優先ということはいづれ確実に女系天皇が誕生する事を意味する。
女性の天皇を戴く事はよいとして、日本の伝統を維持しようとするならば
今後も男系の天皇を戴く事を前提として議論すべきであって、
天皇制度(天皇は制度ではないが)を維持することは
即ち男系の天皇を維持する事であり、
男系の天皇を維持する事は伝統を維持するということである。
天皇を維持する事が伝統を維持することとである以上、
「皇室典範に関する有識者会議」の「有識者」たちにこの気持ちが無いのであれば、
天皇制度を廃止する議論をすればよいではないか。
吉川座長は
「私たちは歴史観や国家観で案を作ったのではない。歴史観は国会で議論すべき問題だ」
と強調したという。
かかる問題は多分に歴史観を必要とするものであって、
歴史観や国家観を持ち得ないならばかかる議論に参加すべきではなく、
また、このような「有識者」を集めた首相にも責任があると言わざるを得ない。
あまりにも知的怠惰な議論をなす「皇室典範に関する有識者会議」に少々嫌気がさしてきた。