あび卯月☆ぶろぐ

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「君が代」のこと

2005-11-10 01:21:09 | 歴史・人物
「日本の国歌は何でしょう?」
と訊かれたら、なんと答えますでしょうか?
もちろん、答えは「君が代」なのですが、では「いつから『君が代』は国歌になったでしょう?」と訊かれたら答えに窮する方が多いかもしれません。

実は「君が代」が正式な国歌として法律で定められたのは小渕内閣以降なのです。
ですから、「君が代」が国歌になってから、まだ、10年も経っていないんですね。

さて、今回はこの「君が代」のお話。

それでは更に質問。「君が代」の歌詞の意味は何でしょう?

これに関しては右翼左翼問わず「『君が代』の『君』天皇を意味し、天皇を崇拝する歌だ。」と言う人が多く居ます。

しかし、これは誤り。

「君が代」とは本来、祝いの歌で主に年寿を祝う際に使われた歌なのです。
ですから、「君」というのは天皇はおろか誰のことでもないのです。誰でもいいのです。
「君が代」が文献に初めて登場するのが『古今和歌集』。その中では詠み人しらずとなっています。
この歌は大変に人気があり、それ以後も様々な文献に登場し、
江戸時代には小唄や浄瑠璃にも盛んに用いられたそうです。
少し、尾籠な話になりますが、例えば江戸時代には
「細石(さざれいし)の巖(いわお)となりて」の部分の石を男性器に喩えて、
―つまりは勃起してゆく様子という解釈で―歌われていたことも多かったそうです。
この辺りの事情は『「君が代」の履歴書』に詳しく書かれていますのでそちらを参照されてください。

いずれにせよ、私が申したい事は「君が代」とは本来このように大らかな歌だったという事です。
そういう意味でも、今は亡き小渕首相が国会の答弁で
「君が代の『君』は、日本国および日本国民の統合の象徴であり、その地位が主権の存する国民の総意に基づく天皇のことを指す」などと述べた事は無知蒙昧としか言いようがありません。
確かに、戦時中の一時期、軍部によってそのような解釈がなされたことも事実ですが、本来の意味から考えるならば間違いという他ありません。
まぁ、小渕首相のこの発言を覚えている人は少ないですし、首相自身、既に故人ですのでとやかく批判はいたしませんが、少なくとも首相の答弁が間違った認識であったということだけは述べておきます。

ですが、「君」を天皇と解釈して歌いたい方はそうすれば良いし、
同時に「国歌なんか嫌いだ」という人は歌わなければ良いと思います。
どちらにせよ国からとやかく言われる問題ではない気がいたします。

「君が代」の話になると天下国家的な話になりがちですが、
「君が代」本来の大らかな精神に則り大らかな気持ちで捉えたいものですね。