あび卯月☆ぶろぐ

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自民党憲法草案「前文」について

2005-11-21 23:08:36 | 政治・経済
先月の終わりに自民党が新しい憲法の草案を発表しました。
憲法を変えようという気概だけは評価できます。
ただ、内容を見てみると片手落ちだったり、現行憲法とほとんど変わりません。
三宅久之先生ではありませんが「自分の言葉で書け!」と言ったところでしょうか。
もちろん、現状においてこの程度の改変しか出来ないであろうということも理解しています。
今の日本の民度ではこれが限界でしょう。

さて、それはさておき、自民党憲法草案の前文について指摘しておきたいことがあります。


前文
 日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。
 象徴天皇制は、これを維持する。
また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、
不変の価値として継承する。
 日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、
自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。
国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。
 日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。



私が気になったのは

「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し」

という箇所です。
果たしてこれは憲法に明記することなのでしょうか。
国家が国民に対し「愛情を持て」というのはどうかしています。
愛国心とは国家から命令されて持つものではありません。

私は「愛国心」を持つことは尊い事だと思いますし、
「愛国心」というと即ち「軍国主義」に繋がるという妄想的言説を述べる人たちに与するつもりは一切ありません。

その上で、敢えて述べさせていただくのですが、憲法に「愛情」などという言葉を明記するのはやはりおかしい。憲法は法的規範を規定するもので道徳的規範を規定するものではないからです。


他にも
「日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。」
という文言にしても憲法に明記することなのでしょうか。
これに関しては世界中の憲法を読んだわけではないので、あまり大きなことは言えませんが、どうも違和感を覚えます。


早い話が自民党の憲法草案は斯くの如く「ツッコミどころ」が満載だということです。