2~3日前、NHKのラジオを聴いていたら『くもが空を飛ぶ、今その季節です』 と、視聴者と電話を繋いで話をしていた。
糸を吐きその糸を頼りに風の勢いで空高く舞う・・・と・・言っていた。 そんなことが現実にあるものかと半信半疑で耳にした。
数日後、新聞を見ていたら『蜘蛛の飛行}のエッセイが載っていた。
内容は空を蜘蛛(クモ)が飛ぶという。
抜粋
東北地方(特に山形県)で“雪迎え”.と呼ぶ蜘蛛の飛行がある。
・・・・・中略・・・・・・
川面の少し上空に、何かキラキラ光るものが見える。 宙吊りになった細い糸のようなものだ。
それがゆっくり揺れ動きながら上に昇っていく。
見渡すと川面だけでなく、
アッチにもこっちにも、川原のいたるところにそれは漂っていた。
漂いながれて、上昇していく。 仲間の一人が手に取り『蜘蛛だよ!』と叫んだ。私も糸をつかんだ。
確かに、 糸の下に小さな茶褐色の蜘蛛が一匹くっいているた
。 多くの種類の蜘蛛は、生息域を拡大するため、
孵化後自らの糸を吹流しにして空を飛ぶ。
成体になって空中飛行を行う種類もあるが、山形のある地方では それが雪降り前の時期と重なるため“雪迎え”と呼ぶ。
糸が空を舞う現象は古くから知られていて中国では、
遊糸として漢詩に詠まれている。
・・・・・略・・・・・ 注意してみると、体長約5ミリの蜘蛛たちは、岩の上、
流木の上、梢にもいた。
尻を上に持ち上げて糸を吹き出す。長さ70cmから2mの
さまざまな糸だった。
失敗するものもいるが、うまく糸を上昇気流に乗せると 蜘蛛は体ごとスーツと体ごと空中に浮かぶ。
日本経済新聞( 夕刊) 11月14日
蜘蛛の飛行
足立倫行氏
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縄文人の体験、
中学生の頃、夏休みの宿題に蜘蛛の採集をした。
何も分からぬままに蜘蛛だと思うものを何でも集めて標本にした。 数にしたら80~100種類ぐらい採集したと思う。 ホルマリンを注射して腐敗しないように工夫したが、なんせ蜘蛛は足が沢山ある。 折れたり 取れたりして散々だった。
仕上げの段階になって箱がない。 仕方なく物置から古ぼけた木製の小さな引き出しを取り出してきて 水洗いして中に画用紙を敷いて何とかつくろった。
ガラスの代用として、みやげ物に包まれてきたセロハン紙を使った。
何とか標本として整い夏休み明け先生に提出した。
先生曰く『蜘蛛は昆虫ではありません。 節足動物です』といわれたことが鮮明に頭に残っている。
内容はともかく、努力の跡が見られるということで褒められた。