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toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「あなたには、殺せません」 石持浅海

2023年07月17日 | 読書日記
今まで読んだ石持浅海の中では一番面白かった。
とにかく設定が斬新。
殺人をしようと思ってる人の相談に乗って、その殺人計画を検証し計画の穴を指摘し計画を断念させるというNPOの相談員。
しかし、相談した人は逆にその穴をパッチして計画を実行してしまう。
謎の相談員は果たしてそこまで考えていたのか??

5編からなる連作短編集でどの話も面白いんだけど、殺人を考えるにはいずれも動機が弱すぎるところがリアリティに欠ける。





2023.7.7
東京創元社
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「獣の夜」 森絵都

2023年07月16日 | 読書日記
森絵都の短編集は全部そうだけど、面白いのとそうでもないのがごちゃ混ぜ。
これも出だしはこんな作品が続いたらもう読みたくない・・・って感じだったけど、後半は良かった。





2023.7.30
朝日新聞出版
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「時計泥棒と悪人たち」 夕木春央

2023年07月15日 | 読書日記
6編の連作短編(というか中編)集。

35mm525ページの分厚さだけど、内容はそれほどでもなかった。
犯人捜しの謎解きミステリだけど、そもそもの事件もその背景の謎も無理やり作った感で満足感が得られない。




2023.4.14
講談社
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「夜果つるところ」 恩田陸

2023年07月14日 | 読書日記
山奥にひっそりと存在する堕月荘での主人公の「少女時代」の異常な生活を描いた小説。

扉をめくると、作者名が「飯合梓」と変わっている色違いの扉があって混乱する。
後ろを見ると奥付も2つ有って、「飯合梓」が同名の小説を書いたという設定の小説を恩田陸が書いたと言うことらしい。
ちょっと調べたら「鈍色幻視行」という恩田陸の小説が有って、その中に登場する小説中小説がこの作品という何とも複雑な設定。

根本の部分が最後まで説明されないので謎だらけだけど、そのあたりは「鈍色幻視行」で説明されているのかも。。
読み終わっての感想は「結局何だったの?」。

「鈍色幻視行」を先に読んで初めて成り立つ作品なのかもしれない。







2023.6.30
集英社
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「花咲町奇談」 目代雄一

2023年07月13日 | 読書日記
前に読んだ「開けてもいい玉手箱」もそうだったけれど、文章や構成はしっかりしているので読みやすいものの内容は玉石混交。
アイデアは良いけれど生かし切れていないもの、そもそもアイデアがイマイチなものが多くて完成度が低い作品が多い。

それぞれの作品の舞台は基本的に同じで、登場人物がかぶっていたり、連作短編集みたいになっているところはショートショートとしては新しい感じがしたけれど、生かし切れていない。






2023.2.7
書肆侃侃房
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「私はスカーレット」 林真理子

2023年07月12日 | 読書日記
海外が舞台の話は背景が理解しにくいし、人名や地名が覚えられないから苦手で、普段は避けている。
ましてや上下巻の作品なんか絶対に手を出さないけれど、たまたま先行発売された文庫版のプルーフ(上巻の冒頭4分の1)を入手して読んだら(2019年10月)、それがとても読みやすいし面白くて続きを読むつもりでいた。
しかし、つい買いそびれてそのまま忘れていたうちに今回まとまった本になったのを発見して早速読んだ。
(ちょっと比べてみたら、冒頭がいきなり変わっていたし、当たり前だけど気になっていた明らかな誤植が修正されていた。)

リライトと言うことで、ストーリは林真理子が考えたわけじゃないだろうけれど、予想の上を行く展開が面白くてどんどん読み進められる。
林真理子の書き方が上手いせいで背景もすんなり分かるし、登場人物達は個性的で混乱することも無くて、これなら私にも大丈夫。

主人公のスカーレットとレット、そしてアシュレの考えていることは一貫性が無くて違和感を持つところも有ったけれど、著者もあとがきで触れているように原作のせいと言うこと。

途中まで「・・・した。」と書けば良いところ「・・・したんだ。」となってる箇所がちょくちょく出てくるけれど、何か意味が有ったんだろうか?






2023.6.19
小学館(上下巻)
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「ひむろ飛脚」 山本一力

2023年07月09日 | 読書日記
夏の盛りに追分宿から江戸まで氷を運ぶプロジェクトストーリ。

この手の物語は、途中で発生するトラブルを解決しながらなんとか達成するという展開が普通で、そのトラブルにいかに対応するかというところがハイライトなんだけど、この小説では事前に手を打ってその後は比較的順調・・・と言う流れでイマイチ盛り上がりに欠ける。
最初に様々な問題点が指摘されどうやって乗り越えていくんだろうと思っていると、どれもあっさり解決してしまう。
実際に動き出してからもトラブルは発生するけれど、みんな都合よく終わって欲求不満気味。

この作者の作品はどれも物足りなさを感じる。





2023.5.30
新潮社
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「腸詰小僧」 曽根圭介

2023年07月07日 | 読書日記
犯罪を犯す人が主人公の短編集。
犯人に共感できるのもあるけれど、全くそうでないのも。

動機がどうとかよりも、ストーリ展開の意外性を楽しむ作品集。
男と思わせておいて実は女だったというネタは2回使っているけど、初出先が違うし6年経ってたから忘れてたのか?





2019.8.30
光文社
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「ポロック生命体」 瀬名秀明

2023年07月06日 | 読書日記
やたらに哲学的な理屈をこねくり回すだけの内容の無い短編集。

「新生」もそうだっけど、全く面白くなかった。





2020.2.25
新潮社
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「おじさんとおばさん」 平安寿子

2023年07月06日 | 読書日記
恩師の息子の選挙出馬に関して久しぶりに集まった小学校の同級生6人。
今度は6人が中心になって同級会を開催しようという話になって付き合いが始まる。

ちょっとありえそうもない展開が多いけれど、まあ色々有ったもののめでたしめでたしと言う物語。





2010.4.30
朝日新聞出版
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「さよならドビュッシー前奏曲」 中山七里

2023年07月05日 | 読書日記
「さよならドビュッシー」のスピンオフ短編集。

冒頭の作品の最後に「さよならドビュッシー」の登場人物が揃うと言うことで、前日譚つまり「前奏曲」。
そして次の2作目がそのまた前日譚。
3作目と4作目は香月玄太郎が主人公のコージーミステリ。
そして最後の5作目が、冒頭の作品の続きと言うことで順番がバラバラ。

「さよならドビュッシー」を読んだのは10年以上前でよく覚えていなかったけれど、ストーリは関係していないので問題なかった。








2012.5.24
宝島社文庫
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「噴怨鬼」 高橋克彦

2023年07月05日 | 読書日記
歴史に詳しい人には常識なのかもしれないけれど、私には背景がさっぱり理解できなくて、結局最後まで良く分からないまま。
私には遠い世界。。




2023.5.30
文藝春秋
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「僕らのごはんは明日で待ってる」 瀬尾まいこ

2023年07月04日 | 読書日記
変わってる高校生の二人が付き合い始めてからの物語。
上村小春は何故か群ようこの「パンとスープとネコ日和」に登場するしまちゃんを連想した。

二人の個性が面白いだけでストーリは割と凡庸。
最初と最後のセクションだけにした方が良かったかも。





2012.4.25
幻冬舎
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「ゆゆのつづき」 高楼方子

2023年07月03日 | 読書日記
Ⅰ部は小学校5年生のゆゆの夏休み初日の出来事。
少女の冒険物語のような話。

Ⅱ部はその46年後の由々(成長した「ゆゆ」ということで区別している)の日常。
何が言いたいのか良く分からない話が続く。
最後の最後でⅠ部と繋がって終わるけれど、そこまでの話は要らない。







2019.10
理論社
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「エフェクトラ」 霞流一

2023年07月02日 | 読書日記
とにかく厚い。
紅門福助のシリーズ物と言うことだけどまだ一冊も読んでいないし(存在を知らなかった)、詰まらなかっらた最後まで読めないかも・・・とちょっとびくびくしたけれど、読みだしたら杞憂だった。
本格ミステリと謳っている割には登場人物のキャラ設定がチャラかったりでコージーミステリと本格ミステリの中間と言った感じもしないでもない。

物語が始まっていきなり次々と新しい人物が登場して混乱しそうなのに、巻頭に一覧が載っていないので自分で作成したけれど、それぞれがかなり個性的なため区別しやすく必要なかったかも。
登場人物達が出そろったところでお約束の殺人事件が発生するけれど、新雪に足跡が無い密室殺人。
そうそうに防犯カメラなどで犯人が限定されてしまいこれで最後まで引っ張るのか・・・と思っていると、第2の密室殺人事件。
「そして誰もいなくなった」のパターンかな?
ここで遺留品のポケットウェットティッシュが登場するけれど、ウェットティッシュのパッケージはミシン目じゃなくてシールのはず。

丁度真ん中あたりで、第3の殺人事件が発生して、思った通りの展開かと思いきやこれが物語中最後の殺人事件で、それ以降の残り半分はすべて謎解きという構成。
さすがにこの厚い本の半分を謎解きに充てているだけあって、動機も密室もかなり複雑。
あらかじめ示されていない事実も沢山あるので、読者が正解するのは不可能。

登場人物の部屋割りが示されたとき、探偵の紅門福助の部屋が無くて不思議に思っていたけれど、最後にちゃんと理由が分かった。
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