今、地域の特産と騒がれるが、これは中国でも失敗している。それは、地域特産品が季節性の生産物であるからだ。みかんの産地が、缶詰やジュースという工業生産により、一年間の出荷の平準化に成功しているが、生産は季節に集中する。それを救っているのが、冷凍の技術である。ブドウの場合は、いうまでもなくワインの生産と結合している。業務量が年間で、平準化し、10人なから10人が遊ぶことなく、一定のペースで業務量をこなさないと、企業としての持続性は望めない。
従って、地域特産品を推奨した胡錦濤の農村振興策は失敗した。習近平は、公共投資の重点を2つに絞り込んだ。地域型の企業が成立するためのロジスティクスの仕組みである。物流のインフラを農村部に定着させたこと。第二は、水源地となる山峡における養豚の排水汚染対策に取り組んだことである。国家の公共投資を産業インフラから保険業まで広げたことである。農村の中心地機能を高めた。それでも、自立できない極貧の困難な農民には、国家の社会保険に国費から補助を出すことで解決を進めている。これは、毛沢東が農民から絞りとり極貧化させた大罪を黙って修正しているので、中国農村は安定化に向かっている。
さて、日本の場合は、水源地には小水力発電が最適である。問題は、この電力を何に活かすのか。これが、業務の年間標準化の鍵である。冷蔵庫、冷凍庫などの原料と製品の倉庫が維持できる。電力会社による売電ではなく、地域産業のエネルギー循環である。可能性のあるのは、山間部との接点が近い地域である。とはいえ、創る人から発想すると失敗する。まずは、市場のニーズである。年間にわたり安定した需要がある市場の発掘が最大のポイントとなる。