TMA講師として、富山大学工学部のPMEへ寄付講義をお願いし、昨年に続き、今年も講師を派遣して戴くので、御礼を兼ねて表敬訪問した。結論は、別格の方である。
東アジアの経済史、経営史をひとつの専門とする立場からいうと、工作機械のメーカーの創業者には格別の存在感を感じる。二代目、三代目には、それなりの苦労があるが、創業者というのは、歴史の創造を意味する。
工作機械は、機械をつくる機械だからマザーマシーンという。通常は、電動モーターで駆動し、歯車で変速してドリルでカットするのが工作機械である。その分野の機械も生産されているが、唯一、高圧力水による切削機を実用化されたメーカーさんである。近年は、新素材を開発するため、ナノレベルの原子レベルの微粒子を創る装置の開発に成功された。
この装置により、あらゆる分野で適した新素材の開発が可能になった。1世紀、2世紀、3世紀と、魚津の機械メーカーが、世界のモノを素材として細密分解することで、比較的に原子番号の近い原子と原子との物理合成、さらには化学合成へと進展する。この可能性を引き出すのが、スギノマシーンさんである。
エンジニアとして、世界史、人類史を見つめている、その眼光は別格の人である。憧れの人物にお会いして、僕のスギノさん信仰は、当分、醒めることはないだろう。知が歴史の進化を生む典型だからだ。本当に、「タカラ」の勇者である、と思う。