富山マネジメント・アカデミー

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理工系ではない首長の罪

2017年07月01日 | Weblog

TMA講師代表:全国の知事で大学の理工系の学部の学歴をもつ人は、ほとんどいないのではないか。医学、薬学となるとどうだろうか?たまに建築系のひとが地方自治体の長となることもある。農学部の出身者、まして林業学の・・・となると、空恐ろしい国だとわかる。また、経済学の本流のプロもほとんどいない。また、会計学、経営学を基礎教養とする首長もいない。

首長には、理工系はいない。また、議員となると、「理工ではない」が「利巧ではない」と語呂合わせできる。国家発展戦略にしても、地方創成にしても、国家利益に忠実な国家官僚が乏しい。それに反し、中国では、科学院、社会科学院、工程科学院(エンジニアリング)の国家のシンクタンクが充実している。考古学は、科学院に属している。日本研究所は社会科学院に属している。工程科学院は、世界の技術情報を把握し、国内の基礎研究にも貢献してる。ほとんど、スキがない。ほぼ全員が、中国共産党員である。林業と緑色革命は、九三学社に任されている。

政治と理工系の専門家との一体感は、日本、アメリカの比ではない。台湾の国民党が破れたのは、九三学社のような科学者たちが、蒋介石政権に見切りをつけたからである。党の創設者である孫文は、医学、特に公衆衛生学への関心から、中国社会の病理を見つけた。文系の大学の基礎教養しかないと、出来るのは、バランス感覚と、イベント主義、キャンペーン主義である。いわゆる国民運動の形での啓蒙である。

日本は、人口崩壊、大学生の英語力では、アジア最低域に突入、地方創成というが、世界の流れからみて、大学の三流化が進んでいる。2050年を待たずに、世界標準でない日本の大学の法学部出身者により、熱い戦争による日本歴史で唯一の敗戦国家を経験し、今、静かな戦争により日本が1600年代以来、保ってきた中国に対する優位性は、この30年で完全に逆転することになる。

理工系のOBが大胆に政治参加しないかぎり、日本という国のエンジニアリングとマネジメントは確立しない。水素を利用する発電と国策とする政党の出現が待ち望まれる。

 


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