写真はラジャアンパットのパッツセージでの写真だ。マングローブからの光が美しく赤く輝くオオトゲトサカを照らす。一昨年の2月に撮影した。
本年は私がフリーの水中写真家になって9月で3年目になります。55才で長年勤めていた会社を退職し、水中写真の道に入りました。なぜ第二の人生ともいうべき55才で水中写真家になったというと、それは明確な理由がありました。
丁度そのころニコンサロンbisで2回目の個展がありました。一回目のニコンサロンbisは石垣島で起ったサンゴ礁の大規模白化をテーマし、2回目はサンゴ礁そのもの、そして環境問題にも触れた内容でした。個展をきっかけに、私の作品が雑誌や新聞にも取り上げられました。
その時私が考えていたのは海やサンゴ礁の素晴らしさ、そして現実を多くの人に知ってもらう事の大切さでした。そう考えると、私には時間がないと思いました。55才の時点で水中写真が撮れるのは10年間の65才までだろうと思い始めていました。10年間あれば水中写真家として一つの仕事が出来ると考えたからです。私は55才でサラリーマンを辞め、水中写真家の道に入ったのです。
水中写真家は多岐にわたる知識や技術がまず必要です。ダイビングの技術、写真の技術、海と海の生きのもの知識等、トータルな分野での技術と知識がなければ水中写真は撮れません。そして体力が必要です。最近は水中写真家の先輩を見ていると、あと20年位は大丈夫かなとも思います。
写真はよくその人の人生観がそのまま出るといわれています。そうすると人生経験が写真に反映されることは明らかです。水中写真も例外ではないと思います。そして写真を次世代の子どもたちに伝えることが大切です。
今まで、水中写真は特殊な世界で大変難しいといわれてきました。しかし今ではデジタルカメラの発達で水中写真が撮りやすい時代になりました。コンデジでも十分素晴らしい写真が撮れます。ただ、やはり水中という条件は光やホワイトバランスや色の発色など地上とは異なります。それを理解すればコンデジなりの撮影の仕方で素晴らしい写真が撮れます。もちろんデジタル一眼はいうに及ばず素晴らしい写真が撮れます。私は水中写真の愛好家の方に、どんどん水中写真をとってもらいたいし、いろんな場で発表して欲しいと思います。
Art Photograph group show レクトバーソギャラリー
フォトグラファーの視点:光と瞬vol.8 ~気鋭の写真表現者たち~
大倉清司 長島敏春 蒔苗仁 岡本洋子
2013年1月15日(火)~1月19日(土) 13:00~19:00 最終日のみ13:00~16 :30
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13-401 TEL03-5641-8546 茅場町駅「東改札」3番出口より徒歩2分