長島敏春「逗子日乗」(旧「生命のサンゴ礁」)

2007年温暖化による石垣島のサンゴ礁大白化に遭遇。「生命のサンゴ礁」を開始。2023年に「逗子日乗」とする。

「環境と生物」の時代

2015年01月20日 | ラジャアンパット

「生命のサンゴ礁」とはこのブログのテーマです。2007年の石垣島で起こったサンゴ礁白化に遭遇し、その有様をカメラに収め発表したのがきっかけでブログを始めました。サンゴの中で共生している褐虫藻が地球温暖化で、海水温が上昇したのが原因でサンゴから離れました。サンゴに栄養を与えていた褐虫藻がいなくなり、サンゴは骨格がむき出しになりました。それがサンゴの白化です。サンゴが長年、積み重なった地形がサンゴ礁です。サンゴ礁は生き物たちを育む場所でもあります。そこでは様々なレベルでの植物連鎖が行われています。私はその現象をつぶさに見たとき、それはサンゴ礁そのものが生命に見えました。そして、「生命のサンゴ礁」と名付けたのです。そのころからでしょうか。「生命」という言葉がいろんなところで使われるようになりました。

最近、その「生命」を考えているうちに「環境と生物」といったテーマを考えるようになりました。一昨年からマングローブの撮影を始めました。マングローブがサンゴ礁とよく似た環境だと思えたからです。マングローブそのものの撮影に加え、生き物も撮影しています。そうするとサンゴ礁と同じような現象が見えてきます。それが「環境と生物」の関係性です。サンゴ礁もマングローブも独自の水を取り巻く環境です。その独自な環境に棲む生き物たちは一体どのような生き方をしているのか。ただその環境に生きているだけなのか。そうではないことが分かりました。生物が環境をつくり出しているのです。互いの生物達の営みが結果的に環境をつくり出しでいるのです。これからの時代は「環境と生物」の時代になると思います。それは人間も生物だからです、これからの時代を考え、未来を予測するのは私たちにとって急務な使命ともいえるでしょう。なぜなら、地球環境をコントロールしているのはすでに人類です。数十年後は人間は人間以上の人工頭脳を持つとされています。年の初めにこのようなことを考えています。人類の生き方が試される時代が始まりました。写真は地球上で最も生物多様性に富む海といわれるインドネシアのラジャアンパットのソフトコーラルとラジャアンパットを象徴するイエローリボンスイートリップスです。

写真絵本「サンゴの海」が偕成社から好評発売中。

日本自然科学写真協会  ニッコールクラブ