最も顕著な例が非正規労働者。労働基準法外の低賃金、重労働で働かされて、トラブルが起きても弁護士費用もないから、裁判所に訴え出る事もできない。
90年代末、日本では高級官僚の腐敗事件が続出し、世間に「官叩き」の風潮が見られた。そこから今に至る流れは始まったのだろう。
後、やはり、官の力を弱める政策を掲げた小泉氏が首相になり、風潮に乗り、圧倒的な支持を集め、郵政民営化をし、労働関係の規制を端から撤廃した。裁判員制度自体はかなり過去から決められていた事であるが、その風潮の勢いでそれも決められたわけである。
90年代の僕は官叩きに冷めた見方をしていた。確かに、汚職した官僚は逮捕されなければならない。でも、だからと言って、官の人の全部が悪いわけでもないし、官を否定すれば、その源の法律まで否定され、日本は「昔の戦争の道」とは違った意味で、大変な事になるのではないかと。どうも非正規労働者と裁判員の件で、その懸念は的中したようである。90年代にフェイスブックなどがあれば、僕は「官叩き」に警告したわけだが。その時の世間の人たちは感情的に官を叩いた。考えず、感情的に社会を見る事があってはならない。やはり、かつてのドイツで「ユダヤが嫌い」という感情からナチスが支持され、恐ろしい事になったわけだし。
これからの日本人も、全アジア、全世界の人たちも世の中を冷静に見なければならないと訴えて、裁判員シリーズを終える事にする。
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