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レーニンが気が付かなかったと思われること

2017-11-30 16:35:49 | 日記
  レーニンが気が付かなかったと思われること





  先日、NHK教育テレビでロシア革命百周年の番組があり、レーニンが指導するボルシェビキ=ロシア共産党が皇帝政府を倒し、政権を取る様子が詳しく放送されており、僕も興味深く見ていました。革命後、ロシア内で都市人民と農民との抗争があり、農民たちが毒ガスなどで虐殺された事は僕も知らなかったため、驚きました。後、レーニンは農民に対する考え方を改め、自由農業も認めたり、人々の封建意識を消すために教会を弾圧していったわけですが、次第に病気になり、スターリンに代わっていったわけですね。


  番組では報道されていませんでしたが、革命後のロシアのトップになったレーニンは当時のロシア人たちからどのように見られていたでしょうか。また、共産党員からも。ロシアでは千年以上に渡り、皇帝が絶対権力を持ち、その意を受けた重臣・貴族が人民を支配し、人民も絶対的に従ってきました。ならば、革命前は皇帝に反する者に過ぎなかったレーニンですが、革命後にトップになってからはロシア人たちからは皇帝みたいに見られて、レーニンの意を受けたボルシェビキは重臣・貴族に見られて、次第に従属化して、一種の封建体制を繰り返し、スターリンの代になり、封建体制は強くなっていったとしてもおかしくはありません。「人々から皇帝として見られている」事に恐らくはレーニンは気が付かなかったのではないかと思います。非常に皮肉だったかもしれません。

  レーニンの師匠みたいなマルクスですが、「ブルジョワジーの経済発展により、封建制は駆逐された」と語っていますが、経済発展だけで封建意識は消えるのか。当時は心理学が発達していなかったですが、人々が培ってきた封建制は革命してもなかなか変わるとは思えませんね。経済学者マルクスの限界であり、それを手本としたレーニンにも限界があったかもしれません。

  それでも、その革命はロシアに教育と医療を普及させた。その事は誰でも評価すべき事だと思います。封建制の下の人々は自分で考えずにお上の言う事に従うのが特徴ですが、教育により、読み書きができるようになれば、自分の考え方を他人に伝えて、自ら考える力も付きます。教育は重要ですが、それでも、人民が一人一人の考え方を持つに至るには相当な年月が必要です。

  がらりと話は変わり、僕の1970年代の見聞ですが、民主的であるはずの日本の首都圏の福祉団体や身障団体でも、会長や役員が会員に命令を出し、会員もただ付いて行く例もありました。役員命令が絶対的。上の者の命令をこなす事がボランティア活動や身障運動だと誤解した人たちも多く見ています。その時の僕はおかしさは感じなかったですが、後年、放送大学で民主主義も学び、それはおかしかった事に気が付いたわけです。更に、その後の日本に起きたオウム真理教は麻原彰晃が王様の非常な封建体制でしたね。オウム真理教の事からも封建社会の恐ろしさを知って欲しいものです。皆さんも自分の頭で考えて動くようにしましょう。