トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

カラスザンショウの風倒

2024-07-17 | 今日は真面目に

 予報に反して猛暑日が3日続いたと思ったら一転して12時間雨量150mmとはただただ呆れるばかりなのだが身体髪膚はもうすでに呆けているから他人から見ればいつも通りなのであった。しかしながら孤爺としては短時間雨量と一時だが強風も吹いたので翌日の曇天を幸いとして水見回りに出かけた。吐水量は安全圏のように見えたが水源地までは足を延ばさなかったので安心してはおれない。崖下の排砂弁の操作は降雨の後は遠慮した方が無難である。いつ何時、上部の崩落があるかどうか予断を許さない場所であるから。

 さて、吐水量は普段通り、水域全般も急遽手を入れねばならない状況は無かったものの、駐車場沢筋のカラスザンショウが倒れていた。根元を見れば直根部が破断しているし周囲に伸びた支持根だって法面の肩と言う立地では支えきれなかったに違いない。切断してから年輪を数えたらおおよそ15年生で幹回りの割には高さが有るのがカラスザンショウで風に弱いのは仕方がない。至近にあるもう一本は幹に多数の侵入被害を受けて今期は葉を出さなかった。立ち枯れと判断するしかないが伐採は先に延ばして倒木だけ先に処理した。

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 倒れた時に隣りのナンジャモンジャに掛かって地上に落下できなくて危険な状態だったから早急な処理はこっちが優先である。まずはチェーンソーの届く幹の中ほどで半分に切断して上部を地上に落とした。ここまでできれば後は刻むだけなので足元だけ注意すれば良い。曇天でも安定しない空模様で、時折は霧雨になったりポユポツ来たりして落ち着かない。それでも支障は無いのでチェーンソー作業を始めたついでにクワの樹の整枝も行ったのだが、こちらは片付けまで出来ずに撤退した。切断した幹と杭に良さそうな枝の部分は先々の予定だけれど絞り水溜まりの拡幅用材に活かす予定で作業を行った。今日、17日現在ではすでに据え付け済みで拡幅も終了している。カラスザンショウはもったいないけれど土留めの丸太を遠路運ばなくても良くなったので、これはこれで棚ぼたである。欲を言えば立ち枯れの方が倒れて欲しかった。


ムシムシしますわ・・・

2024-07-16 | 小父のお隣さん

 熱中症警戒アラート出ずっぱりが消えたら連日の雨天で蟄居状態が続く。それでも雨の切れ間を縫って水見回りしトラブルを未然に防がないと水域は簡単にリセットされてしまいかねない。蒸す日々とは言え無視は出来ず、出かければ虫の多さに喜ぶ孤爺も居れば蚊虫の多さに辟易する孤爺もいるのだった。

    

 まあ、そんな気象だからこそ植生は繁茂し草食昆虫も肉食昆虫も繁栄するのであろう。虫探しなどしなくても流し目をくれて秋波を送ればそこには普段は目にしない虫たちがいる。この日も手近なところで見つけてしまった虫たちだが玉虫やカレハガの仲間と思う蛾はともかくコナラでボール状になった毛虫はいつ見てもゾワゾワしてしまう。庭の林檎の樹に大発生して気が付いた時には丸坊主にしてしまう大食漢のこの名前、思い出せなかったけれど幼虫図鑑で確認する相手でも無し、閲覧する人は少しばかり冷涼感を味わえるでしょう。

     


今日のエッ!品「デーツ入りビスコッテイ」

2024-07-15 | 何よりの楽しみ

 熱中症警戒アラート出ずっぱりでは自宅蟄居は危機回避で梅雨空になれば自宅謹慎で大あくび…。とにもかくにも「孤老を殺すに刃物は要らぬ。雨の三日も降れば良い」のだった。そこから逃れるには食事自給率を上げねばならない。しかしながら3食三度、お粥にお雑炊では生きる希望が薄れる。とは言え理不尽な爆災地の飢えに比べれば天国に等しいのは確かなのである。浮世に居て天国を味わえるのも祝着至極であるが弾着地獄を日々生きなければならない理不尽さには言葉が無い。

 話は変って猛暑日に続き雨天2日目、そろそろあくびばかりの時間が増えて来た。そこで一念発起、久しく失起のままビスコッテイを作る事にしたのだ。余談だが郷里の方言で言えば恥ずかしながら「パスだこって・・・」となる。さてビスコッテイは発酵時間を必要としないし二度焼きが面倒だけれどそれなりの質で出来上がるから手軽なのである。たまたま別のテキストを参考にしたのだが加える水分は卵1個だけで混ぜ合わせてもまとまらない。そこでヨーグルトでまとめてから焼いてみたのだった。

 レシピを掲げてみたところで教本やネット上には多様なレシピが存在しているので敢て表示する程の事も無い様に思えて試食して冷蔵庫に保存する前に1枚撮影して終わった。以前のレシピに比較すれば卵の数が3個から1個になって、バターと乾燥ナツメヤシを100g混ぜ込んだ結果は濃厚な仕上がりとなったのである。市販品のケーキやドーナッツのように油脂と砂糖の塊の様にはならず、噛みしめれば美味しさがにじみ出て来る味わいはただ濃厚で甘いだけの御菓子類とは別格の美味しさがある。まあ、美味しさと言うより旨さと言った方が感覚に近いか・・・。

     

 


空蝉か鬱世身か…

2024-07-14 | 感じるままの回り道

 今期初となる蝉の脱け殻を見つけたのが12日の事で勿論、種の判断は出来ない。例年だとフイールドの行き帰りにくぐるバイパス直下の桜並木で最初の鳴き声を聞くのであるが、そこでの鳴き声も無くフイールドでも聞いてはいない。と言ったところでこの猛暑振りで熱中症警戒アラート出ずっ張りの今日この頃ではリスクが高くなる野外活動も爺害活動も厄介活動も控えめである。

 この空蝉は至近の遊水地で見つけたものだが鳴き声は聞いていない。例年夏の最初に聞くのはクマゼミの大音量だけれど、クマゼミの初音よりもここ数年はハルゼミの鳴き声が無く、台風で倒れたテーダ大松5本を超える数を育てて点在させてきたがやはりまとまった林としての環境が無いと無理なのかどうか、それとも既に絶滅してしまったのだろうか、クマゼミより気にかかるが樹には掛かってはくれないハルゼミだった。

 そんなボンヤリの折、少しの晴れ間を縫ってフイールドに出かけたのだが図書館裏のケヤキ林とバイパス下の桜の並木、フイールドでクマゼミの合唱を聴く事が出来た。まあ、初音ではあるけれど「ますます暑い夏本番到来!」てなもんや三度笠、であって嬉しくも無い猛暑下である。

      


ウマノスズクサ、増えているのにジャコウアゲハは姿が無い!

2024-07-13 | 蝶の食草園

 昨季からウマノスズクサの繁茂が止まらない。深い場所に地下茎を広げ鼠の額程度の庭の至る所に蔓を伸ばしてきたのが今期の姿なのだ。孤爺の姿はとうに婚期は過ぎ去って今期も黄昏状態なのだがまあ、活きていると言って良いので祝着至極である。さて、ウマノスズクサの導入は「身近で変な花を楽しみたかった」程度の動機なのだったが、これがジャコウアゲハの食草であって導入の年こそ繁茂して花を観賞できたものの翌年から蔓丈1m程度になるまでに産卵され地際まで食い尽くされる、と言う状態が晩秋まで3~4回続いていたから花を観賞する事など絶望だったのである。

 しかし、昨季は久しぶりの花を庭で観れる事と相成ったけれど、その一方で庭で繁殖した個体は数頭でしかなく今期も今の処は3頭だけである。故にウマノスズクサの立ち上がり本数は増えるばかりで蔓ごとに抜き取っても地下茎は健在なので数は増えるままである、と言うのが今期の手太楽だ。食草としてのウマノスズクサが増えればジャコウアゲハの個体も増える・・・と言う図式は成り立たないのが昨季・今期の経験値である。逆に飛来する成蝶が極端に減った事は別の要因がある!と考えるのが自然だが姥捨て山の小年金高年齢の孤爺に分かるはずも無し。フイールドに目を向けると一昔前まで盛夏に絞り水の滲みた場所で集団吸水するアゲハは20頭5~8種も数えたのだが最近は数頭いれば大盛況と言う現状で、飛翔数は増えたようにみえるものの吸水に群がる個体数を見る限りは減少しているのが現状で、繁殖力の劣化が想われるのだ。

     


全くもっての跋扈蹂躙・・・

2024-07-12 | 小人閑居して憮然

 もうヒット曲の歌い手の心境であって「バカヤロー!」で爺引導・・・いいえ、ジ・エンドである。林接池には羽化台となる植生が少ないので敢て繁殖しない様に鉢植えにしたカサスゲを池の中ほどに沈めているのだが、今期になって初めて引きちぎられ倒されていたのだ。その犯人は捜すまでも無い猪突猛進無頼の獣、お猪さまの跋扈蹂躙に依るものである。水没しているプラ鉢の中にミミズなどいるはずもなく、カサスゲを喰いちぎったところで虫が出てくる訳も無く、連日の熱中症警戒アラートを考慮して水遊びしたおまけなのだろうと納得するしかない。

 しかし、倒れた鉢を直すには手が届かないし、長靴は水没する深さで入れない。竹竿か何かで立て直す事が出来そうに思えるけれど探すのも面倒で今の処そのままである。次回の水見回りの際に、忘れていなければ竹竿を用意して行こう。プラ鉢一つのために胴長を付けるのもこの猛暑下では御免被りたいのが正直な気持ちだ。億劫では無いものの装着直後から胴体が蒸れて来る感じが不快この上ないのである。

     


絞り水溜まりを池に昇格!

2024-07-11 | 水辺環境の保全

 前回、ヤブヤンマらしき羽化途中のトンボがいたので即刻中断の止む無きに至った掘削を再開する。面積にすれば半畳程度なのだが日陰とは言え気温30度ともなると汗が滴る。汗まみれで掘削終了、掘り上げ積み慣らした部分を眺めれば更に拡幅可能に思えるものの掘削で出た土の処分は一輪車で移動させるしかなく、そこまでの手間暇をかける程の必要は無いのがこの場所「ヤブヤンマ用の産卵水域」なのである。

 前回の跡から掘削開始 ➡  掘削終了

 水源は絞り水だけれども送水に頼っている水域に比較すれば干あがる心配のない場所で、その意味では種の保存にとっては大切な絞り水溜りであるのだが、拡幅した事によって水溜りと言うより池に見えて来た。湛水量が増えたことで環境的には更に安定するだろうからトンボ類の発生に期待する。下の写真は完成した全景で、水中から突き出た丸太や枝は産卵と羽化用の仕掛けで杭列は絞り水を右手に誘導する制水杭列だ。これで流れ出て来る砂泥を右方向に流し堆積させて左方向は安定した水域を形成する、と言う目論見なのだが、たぶん大丈夫だろう。

 さて、前述の「ヤブヤンマらしき羽化体」は「ミルンヤンマらしい」とのメールが入っていた。写真をもってS先生に確認するしか確定の手段は無いのだが、そうなれば発生種がまた増える事になる。猛暑の中の一服の清涼剤、とはならないが身体髪膚ドロドロクタクタにして水域や環境形成して来た甲斐があったと言う事になる。

     


林床バットからの発生種

2024-07-10 | 小父のお隣さん

 林床に設置した大型バットは勿論、トンボ発生の仕掛けだが時には思いがけない種が発生する事がある。昨季はルリボシヤンマが抜け殻の確認だけでも5匹の発生があった。設置場所が日陰の林内なので「日陰を好んで産卵する種」を対象にしているけれど、そこにはトンボの意思⁉、も反映されるので予想はしていないマユタテアカネやオオシオカラトンボなども発生している。

 今期、初見の大型の脱け殻はルリボシヤンマと期待したのだがS先生の鑑定でヤブヤンマとされたのだった。そのヤブヤンマだが先日は至近のエノキの幹に厚く生えている苔に産卵し、バット周りの除草をしたらむき出しになった表土にも産卵していた。孵化した幼生は1ミリ未満、例えればアドベンチャーワールドを乗り越えバット内の水域に入らなければならない。

 この日、水見回りでバットに立ち寄ったら大型種の黒い色の目立つ抜け殻があった。種は不明なのだが他にも小型種の脱け殻も見える。孤爺としては鑑定できない対象だから特定にはS先生にお願いするしかないけれど、抜け殻の違いだけでも数種は発生した事は間違いない事実だ。バケツやタライの水にさえ産卵するトンボであるからあたり前田のクラッカーだけれど、種の多様性と増加は何よりも目的に適っている結果なのである。まあ、「論より実践」が活きるのがフイールドであろう。

                    猛暑日や翅は煌めく初飛行


二度ある事は…三度の飯より優先事項

2024-07-09 | 小人閑居して憮然

 前で触れたが地下漏水孔が大きく完治処理が出来なかったのが気になり熱中症警戒アラート連続中の中、曇天気味になったので事後確認に行ってみたら埋め戻したところが陥没しており初回の漏水より規模拡大になってしまった。それと言うのもあまりにも地下洞窟が大きく炎天下作業では自殺行為に等しく「死んでも命があるように」なんて唯一の願いにお慈悲の約束は無いままであって、そうなると阿弥陀三尊様と切れない赤い糸で結ばれたままであろうからさぼるのが賢明なのである。

 その上、突き固めるのに必須の胴突きが腐食して使用できず踏み固めた戻し部分は水の浸入を許し緩くなって陥没した、と言うのがストーリーであろう。新しい胴突きの必要は認識しているけれど工作まで手が回らなかった。今回の再補修も踏み固めたままなので、おっつけ再々陥没ー再々漏水の転帰となるのだろう。天気は猛暑と言うより酷暑かつ爆暑中であるから干上がり必至で「嫌だなあ!」なんて贅沢は許されない。この日は湛水確認のつもりだけだったからほぼ新品同様の半袖シャツを着ていたのだがYシャツは作業に向かないのが身に染みたしまっさらな白生地に泥のシミも滲みたのだった。

 前回とは異なり今回はツルハシも持ち出したけれど大きな空洞は地中深く斜めに下がって追い切れず程々の処で中断して埋め戻したが胴突きが無いので今回も信頼性のない後始末である。「胴突きを新調しなかったのが悪い!」と自らをど突いてみたところで後の祭りである。もう加齢吐息はハアハアで、重い泥ドロドロ汗ボロロ・・・だけど忘れる高齢者。

              一番猛暑記録も一番日本一無防備土方天晴れ天晴れ阿呆張る


キジョランの定植

2024-07-08 | 蝶の食草園

 定植場所を決め藪を整えたまでで終わっていた定植予定地。間に降雨があって滑り易い斜面なのでスリップ事故に注意しながらの作業となった。ヒサカキなどの小灌木は転落時の支えになるやもしれんと残してあるのでストレートにドンドン壺に落下する事は無い、と思っているけれどとっさの対応が難しくなってきた身体髪膚の対応能力では心許ないのである。

 この日、定植するのは二鉢だがそれぞれ3本の蔓の寄せ植えである。播種は昨年の早春で既に泥水池1の近くに昨秋、二鉢を定植しておいたがようやく活着し成長が認められるまでになってきた。今回の定植地はこれまでとは環境を大きく変えて自生地に近い沢近くの急斜面としたのでご機嫌麗しく育ってくれれば祝着至極である。それぞれ二鉢、蔓が這い上る支樹の根元を穿って据えている。今の処、キジョラン自体は40cm程度で絡みつく能力は無いので支柱を添えて軽く結わえておく。このまま観察を続けながら自力で幹に取りつけるまでに数年は要するはずだが、とりあえずは活着して欲しい。

    急斜面の一鉢      エノキを支樹とする一鉢

 孤爺の努力や思いをぶち壊す存在が威之志士様の跋扈蹂躙なのだが、周囲の環境にはなかった保育物を入れると日を置かずほじくり出されるのがお約束みたいになっており、その防止に今回も竹酢液を植えつけ周囲に噴霧しておく。これでしばらくは大丈夫なのだが月一くらいで噴霧に立ち寄る必要があって来期くらいまでは気が抜けない。今期、播種したキジョランは発芽したのだが数日を経ずにすべての地上部が消えてしまった。孤爺としてはナメクジやダンゴムシが周囲に多いので犯人と思ってはいたけれどS先生の見立てでは「ヨトウムシ」だった。なるほど、奴らなら犯行現場の様相からぴったりする。しかし悔しいなあ。来季に播種しても定植できるのは更に翌年ではもう見通しが立たない、足腰がたたない、足と腰の間も…まあ、現実は厳しくも侘しいなあ、お天道様よぉ。てなもんや三度笠。


今日のトンボ「コシアキトンボ撮影した。オニヤンマ視認」

2024-07-08 | 小父のお隣さん

 熱中症警戒アラート出ずっぱりの毎日で、孤爺も過去最長のクーラー稼働リビングで謹慎蟄居中であるが先日の漏水部の補修が気になり湛水状況の確認に行った。それも気象予報より曇天で気温上昇が緩めだったから決心した事でピーカンなら出かけず、行ったついでに水見回りもしたのだが6月17日以来となるコシアキトンボとオニヤンマを確認できた。

 コシアキトンボの視認は大概が上の池であって今回も上の池、メスの存在は判らなかったがオス2匹を数える事が出来たのだ。しかしながら撮影したくても高速周回していてなかなか止まってはくれない。「やっと止まったか…」と安堵する間もなくシオカラトンボのアタックで飛び立ってしまう。30分程度「これこれ意思の孤爺さん・・・」状態になれば撮影できるはずなのだが泥水池2の再陥没で漏水しているのを見ている以上、そっちを優先して干上がりを防がねばならず已む無く撤退し漏水防止作業をする。

 気温は既に31℃に達していて、この日は作業する積りも無かったので降ろし立てに近い半袖のYシャツ姿だったのだが「汚れる!」なんて思ってはいけない。もう、死に装束くらいにしか用途の無くなったYシャツなのであるから使い切れば無駄がない。とは言えYシャツの涼しくないことは必要が無くなった歳になって初めて思い知った事で、ますます着る機会が無く箪笥貯金になっているのだった。

     

 それはともかく、作業を終え再度の撮影挑戦で漸く撮影出来たのだがタフカメラのデジタルズーム領域に入ると途端に解像度が落ちて鮮明画像にはならない。スマホも10倍程度なので画像の大きさは劣りコシアキトンボの存在さえわかり難くて使えなかった。それでも撮影できて祝着至極、オニヤンマは飛行を休む場面にはまず出会えなく何時も見送って終わりだ。

 


油断しなくても水は断たれる

2024-07-07 | 小人閑居して憮然

 毎日が日曜日のうえに熱中症警戒アラートが出続け、その上、猛暑日の連発ともなれば弱い立場の低年金高齢者は「暑時は大事!」と大事を取り引き込まらざるを得ない。だからと言ってフイールドの様子は日々変わるのだから見回りも必須なのだ。この日も予想気温38度でアラート中ではあったが曇天になったのを見計らい水見回りに行った。「降雨が無いので断水は無いだろう」は僅かな望みではあるがいつ何時、漏水で干上がるか分からないのがフイールド水域の特徴である。

 行って仰天!早速動転!お空は曇天、では無くてまあ、ヤレヤレと禿げ頭をスリスリしたのだが茫然と失禁してても解決はしない。水見回りの結果は「大きな漏水孔」によるものだった。干上がりは泥水池2から始まり、3,4,5と水が切れてしまった。それでも2,3,4は乾燥せず湿った泥土の中に僅かな水溜りが見えるから「ギリギリセーフ!」で泥水池5は「アウト」の状態である。まあ、フイールドだけでなく「ギリギリ政府とギリギリ民草」は現代東西、本邦を筆頭に指折り数えるのに事欠かないが、指折り数えたところで潤いをもたらさないのは周知の事実でもあり、こんなところにも愚弄張化の波がある。

 泥水池3    接続水路    泥水池4

 この時点でのフイールドの気温は33℃で掘削作業など「とんでもない!」のは承知でも「事、そうはいかない」なんて事態は人生に多々ある。この日も「高齢者は醜い!」「爺爺は臭い!」と言われて出て来たばかりなのだった。事実だし先生様でも無いので潔く受けとめて家出したのだった。高齢になった人生の黄昏時、熱中症警戒アラート下で漏水部を掘り下げ、掘り下げ埋め戻し鎮圧する作業はほどなくして重い泥、ドロドロ、汗ボロボロとなって不快極まりなかったのだが水生生物層をリセットする訳にはいかない。

 掘り返してみるまでも無く漏水部はハンドボールが入るほどの大きさで。掘り進めるまでも無くその下は大きな空洞になっていた。この棚も含めフイールドの水域は地下漏水孔が網の目のようにある環境なので驚くに値しないものの、空洞部はスコップを差し込み回転させても差し支えないほど大きかった。この猛暑下に掘り下げて完治させるには荷が重すぎるのでそれは秋季以降に行う事に決め、湛水するに十分な範囲だけを鎮圧して終えた。一昼夜を要するけれど、これで漸く干上がりから回復するだろう。油断大敵・水断全滅・・・。


イワタバコの花

2024-07-06 | 感じるままの回り道

 擁壁の何カ所かにイワタバコが定着しているのだが小生にとっては初めて見る花である。昔々、自宅の庭石にイワタバコを付着させたいと思った事があったのだが必要な水分の維持が難しそうなので断念したから身近でイワタバコを見たことが無かった。それが通りすがりに観察できるなんてこれはまさに祝着至極なのである。園芸種なのかどうか分からないけれど桃色や水色があったような記憶があるのだがさーてどうなのか、既に脳軟化症や耄碌、認知障害進行中の孤爺であれば正しい回路にはなかなか接続できない、と言うより回復は困難と覚悟すべきなのだろう。被災地のように復興の希望がある訳でも無し、あちこちの政府のように劣化の一途をたどる過程でもある。

 しかし、しかしながらである。やはり人生捨ててはいけない悪あがきもするのであって。いわゆる回想療法を模倣してキャンデーズを聴いてみた。何と何と我が青春のみぎり、既に青春の輝きとしての発露もあった頭部に響く歌ではないか。ヒット中の頃はたまたま耳に入ってきた程度のお付き合いだったのだがしっかりと聴いているとこれは大変危ない歌詞でもあると思ったのだ。それをテンポ良い音楽に乗せ三人一声のようなコーラスは単なるアイドルの域を超えている。だからこそ努力は大変なものであったのだろうし「普通の女の子になります!」の台詞は普通の高齢者になれなかった孤爺には良ーく理解できたのであった。まあ、イワタバコとは全く関係のない展開だが、斑痴呆が存在する我が身、回想療法の飛び火と理解されたい。お陰様で小学生の頃2年だけ同級だった転校生を思い出したのだ。今頃、どうしているのだろうね。

 しかしなあ、こうも猛暑を超え酷暑が続いてはイワタバコも煙を出して消え果てるのではないかと気になるのだが朝から28度越えの日々では水見回りにも行く気になれん。いーや、出かけてはならない気象条件だろう。この程度の配慮・注意できている我がもとに先日、姉が電話をよこしたのだが合言葉は「死んでも命があるように…」だ。


病膏肓に至る途中・・・

2024-07-05 | 何よりの楽しみ

 昨日、酷暑日となるのは前日の予報で判っていたから自宅謹慎で熱中症を避けた。我ながら退屈してもう「ハアー」なのであるが先月の執着地獄は今期お初の真夏日さえ頓着せずに午睡もせずにタンクトップ・半ズボンでアイロンがけをしミシンを動かし夜鍋までし、翌日もその日の午後を使い切って完成させたのが「リラックスワンピース」なのである。午前中は背中を焙られつつ泥浚いをしてたのだから変わり身は早いのであった。

 なぜワンピースなのかには前作の長めのサイドボタンノースリーブに端を発している。「このままワンピースになるではないかい!」・・・「ワンピースが作れればロリータファッションドレスも夢ではない!」とまあ、ここに至れば「病膏肓に至った」と言って良いだろうがまだ発展途上酷なので多少の経験値を積み上げる必要がある。何故そうなのかには孤爺には夢がある。ロリータファッションでハローウインの渋谷を闊歩する事である。

 さて今回の作品は「リラックスワンピース」とあって素人の最初の作業には何とかなりそうでもあったのだ。とは言え襟ぐりを綺麗にするにはそれなりの手数が必要だし袖なしタイプなのだがこれはこれで袖付きより綺麗に見せるのが難しい様に感じた。すべてを仕上げてぶら下げてみれば孤爺の初挑戦とは思えない出来上がりで、糸目切りやミシン掛けで酷使した遠視乱視のお目目にはレースとフリルが付いたドレスのように見えて来る。これは神仏、アッラー、シバ神、お稲荷様の啓示であろう。「汝、ロリータドレスを作るべし、着るべし」はい、仰せの通りに。

 ところが合点、豚でも合い豚、一夜明けたら残った布地の使い道が気になって来た。テキスト幅の布地が無いので長めに切ってもらい購入した結果、残布が多い。使い道を考えてもパンツくらいしか切り取れない。そこでブルマーの製図でアンダーパンツに用いる事にして早朝から開始して午後には出来たのだった。正しい布目で型を取れず90度方向違いだけれど使用上の違和感があるのかどうか小生にはとんと分かりかねる。

 まあしかし、人知れずこんなことを行っているから良い様なものだけれど、ご近所様や知人に知られたら救急車か地域包括支援センターのケワワーカーが飛んで来るわいなあ。華は秘すに限る。ところでその他人なのだが昨日、猛暑のさなかにピンポーンする人がいて、出てみれば水道の検針員だった。メーターは駐車している車の下だから動かさねばならない。「この酷暑の中、良くぞ訪ねてくれた!」と車を出す間、待たせるからと冷凍庫のアイスを1本渡した。「好みではないかも知れないけど…」と社交辞令付きだったのだが「大好きです!」と言うではないか。検針させて車を戻し自宅に入って気が付いた。「もしかしておいらの事かも・・・」既に時遅し、マドンナは消えていたのであって確かめる術も無い。これは白日夢か酷暑は脳さえ溶かしてしまうようだが花は何処へ行った⁉。酷暑の中の花。

     

      

 


危ない土曜日

2024-07-04 | 水辺環境の保全

 まあ、この日は水曜日なのだったがキャンディーズの歌った歌詞の一節が作業にとっても適っていたので使ったまでで孤爺的には「危ない水曜日」だったし「わかっているなら やさしくして もっと もっと」のフレーズは不変である。なんてったってオオカナダモは切れやすいので丁寧に優しくそーっと心を込め抜去せねばならんのだが、そうすればするほど我が腹の中は煮え立ってくる。「糞、糞、こんなもんを投入しやがって、呪い殺したい!」時間なのだった。それもそのはず抜去の手間暇時間は孤爺にとっては危険な時間で水の層より泥の層が厚くなった池の中は移動もままならない。水面の揺らぎと反射光で平衡感覚も揺らいでしまい、少しばかりのオットット!でさえ泥中に沈する誘惑に満ち溢れている。「水も泥も滴るいい孤爺」だなんて笑えないし笑う前に胴長装着では土座衛門の可能性だってゼロとは言えないのだ。

 前回の抜去から早や三週間であちこちの姿を見せたオオカナダモの姿は点在している数を確実に増やして来た。一旦、水抜きし天日干しすればとりあえずは根絶可能なのだろうが池の生物は大打撃を受けるし下流域を干上がらせないためにはバイバスとしての導水路を掘削しなければならず、そこまでの体力は残念ながら当てにはならなくなっている。仕方が無いので姿を見るたびに胴長装着し頼りの竹杖を持ち腰に足浴バケツを紐で結び池に入り抜去する。

 前日の降雨で濁りがさらに増して見えにくくなってしまったものの先送りすれば更に成長スピードを増してしまうので早めの対策は必須だ。しかし濁り水の中でも姿が露わな場所は抜去し易いが低い位置にあるオオカナダモは見えにくい。そこで僅かな色感の違いを頼りに手探りで位置を確認して泥中のタコ足みたいな根まで切らさない様に優しく優しく抜き取らねばならないし、これが池全域をのたくり回り続けなければならない。その間も視点を変えて発見にこれ努めないと漏らしてしまう株も出てくるのである。まあ、「見落とし」と言う事になろうが視点方向を替えながら探さないとどうしても見落としが出てきて「ヤレヤレ終った…」と陸に上がってから発見する事も稀ではないので池内にいる間に極力抜去を済ませたい。

 この日、足浴バケツにほぼ半分の量を抜去した。普通のバケツを使えば15ℓバケツにいっぱいくらいに相当するだろう。丁寧に抜去していても3週間でこのあり様ではおっつけ小生が降参の憂き目は間違いなし。その折は送水を遮断断水させて水域の生物もろともリセットするしかない。一旦、投入されれば駆逐するにはそれしかない。今になってザリガニやミドリガメ、はてまたマングースやら野猫、ヤギなどの対策を云々しているけれど「移動や販売、飼育の禁止」等々言い張ってみたところで環境破壊は粛々と進むだけである。椅子に座して文字に起こして済むだけならこんな楽なことは無い。