トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

流路の邪魔物を水で流そう・・・

2024-09-12 | 水辺環境の保全

 この日も真夏日の予報だ。水源地の修復は始まったばかりなのにご老体には厳しい作業で疲労感が漂ってくる。それでも遅々と進まない作業であっても「雨だれ石を穿つ」の諺にあるように災の河原を爪楊枝で突っついていてもそのうちには形になるだろう。てなことで前日に用意した杭だけを運び後はお休みにする心算だったのに現地に行ったら気持ちが変わった。少しくらいなら片付けて帰ろう、と。

 そのために最適な作業は何かと思案した結果、流路を安心できる方向に制御する障害になっている切株周辺を撤去する事にしたのだ。河床の右岸側中ほどにある切株が増水時の流れを左岸方向に向ける元凶なので昨年に大変な思いをして高さを減らした結果、今回の大奔流でも左岸側に突破流が発生することなく済んだのだった。それでもたかだか30cm程度の突起なのに邪魔になっていてこの周辺に溜まった土砂にウツギなどが育ってさらに流出出来難くなったのだ。

 そこでこの日は切株の残りを河床の高さで切断して抵抗体を排除、と目論んだ訳である。しかしスコップやツルハシでは根が絡み合っていてはかどらず、ここに流路を誘導して浸食させながら洗い流す事にした。まずは既存の流路を堰き止め切株の上部側に誘導してそこから切株の脇に流れるようにした。これで流れの中にツルハシを打ち込み動かせば苦も無く土砂は流れ去り切株が露わになったのだ。ここで一旦水の方向を変えて切株の残りを切断する。後は再び流路を戻して流れるままにしておけば根洗いを続けてくれる。そうこうしているうちに増水流が発生すれば流路の障害になっている畳4枚分ほどの面積の砂州を流し去ってくれるはずだ。

 流路の付け替え ➡  切株の洗い出し ➡  切除

 ここに至れば左岸方向への突破流の発生確率は俄然低下するから取水堰周辺の沢止め作業は急がなくても良くなったのだ。とは言え取水堰も取水升もその位置が分からないままなので浸食流の助けを借りながら復旧を目指さねばならない。