試作だしとりあえず13個削り出したので塗装まで試みるかとも思ったのだがヤナギの太枝が残っている。残していてもこれと言って用途も無い材なので引き続いて卵にする事にした。材は鉈で四等分し端面にコンパスで円を描く。これを基準に大まかな丸材を作った。今回は1個取りの加工なので材料も1個分の長さに切断しなければならない。最小限度の長さは掴み代と切り離し部分の幅を加えれば寸法は出るけれどこの寸法で3個は取れないので半分にして11個分を用意出来た。
卵状切削に入る前の下準備が必要で片面だけチャックでの掴み代を作らねばならない。材料が軟らかく切削抵抗で千切れたり加工圧で緩くなる可能性もあるから最初から片面保持で行う訳にもいかずチャックで保持し粗削りが終わるまでは回転センターを押しつけぶれない様にしておく必要があった。これで幾つかの手順を要する事になるのだが2個取りより格段に楽だったし安全感もある。この日は最高気温35℃の予報で午前九時には熱中症警戒アラートの数値が31に達する予測なので前日も34℃だったし、ここはひとまずフイールドはお休み。と言ってみたところで午前中は日当たりがあるので加工作業は出来ず、結局は昼食を食べてから作業場所が陰になった頃からの作業だ。

日陰とは言え気温は34℃台で35℃を記録した時間もあっただろうが汗と粉塵まみれのきな粉餅お爺状態で夕刻までに11個を完成させる。前回分を合わせれば2ダースあるから試作にしては欲張り過ぎだった。用途は異なるけれどニギニギしたり両手でコロコロしていると気持ちが良い。2ダースはそれで数の単位としてはまとまるけれど小生的には30個の単位が脳裏にチラチラして来た。猛暑で抑制の効かない脳味噌には妄想も激しくなる。
まとめて各々の形状を眺めれば不揃いの卵たち、という出来上がりだけれど「鶏卵」と思わず1個づつ手に取れば違和感は少なくなる。曲面切削をしながら思ったのは「作るほど上達せずラインの想定が乱れて来た」と言う事だった。猛暑と飽きと言うか慣れなのか理想形状が見えてこなくなる。やはり気温のせいだろう・・・。