季節ごと虫の盛りはありなめどあい見むことはみこころのまま
春ごとに花の盛りはありなめどあい見むことは命なりけり よみ人知らず
北麓をただ抜けつればサンコウチョウ森の中ほど鳴いて止まじや
音羽山けさ越えくればほととぎす梢はるかに今ぞ鳴くなる 紀貫之
秋の野にふとすずむしの声すなり我ただ寄りぬ声の止むまで
秋の野に人まつ虫の声すなり我かと行きていざとぶらはむ よみ人知らず
ひぐらしの鳴きつる声に日は暮れてその日暮らしの我もかなかな
ひぐらしの鳴きつるなへに日は暮れめと思ふは山のかげにぞありける よみ人知らず