トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

咲かせば盗られる、咲かせねば増えない

2017-01-03 | 小人閑居して憮然
 周期的のように行きつ戻りつ腰が定まらないのがヤマユリやササユリの扱いである。当初、ようやく発見したヤマユリとササユリから採種し取り播きしていたのが功を奏し、花が見られるようになるとほとんど消えていくと言う現実が背景にある。
 また数種の蘭科、キンランなどは人目に止まりやすく、また竹林周辺に多かった事もあり、タケノコ掘りの時期と開花時期が重なるため被害甚大で、これも消失の危機にある。盗掘を受けないコクランなどはタケノコ探りの鍬で削られ続きで、竹林内で見ることは出来なくなった。

 平成28年は例年になく駐車場周辺のフイールドに開花株が出そろったのだが、一週間もせず全て掘り盗られてしまった。駐車場付近の切通し斜面に生育していたササユリとヤマユリは、蕾を付ければ気付かれ盗られるのは間違いないから摘蕾してきたのだが、開花させねば種子も出来ない。このまま維持しても人目について掘り盗られれば「万事休す」なので、フイールドで開花結実採種を断念し自宅で採種母株として育成する事にし掘り上げた。
 
 ササユリはゴルフボール大、ヤマユリはテニスボール大の球根で、花後、葉姿を確認していた他の場所の球根をも回収しようと回ったのだが、全て窪みを残し消えていた。帰宅後、直ちに植えつけたから来期は開花採種できるだろう。
 山での開花株は全て盗掘されるとしても、母株が健全で種子を提供してくれるなら播種は継続できるものの、でも「お主も同類」と忍びない心情になる。まあ、高い塀の上を渡っているようなもんか…。

            採取ササユリ         採取ヤマユリ